古くからの友人M君に連鶴のワークショップを誘われて、また連鶴作りに火がつきました。ちょうど先月、ミニバスケットボールのイベントで連鶴教室をしました。溜め置いた連鶴をたくさんあげたので、在庫が減っていたところです。
連鶴教室は何度もやっていますが、あらかじめ人数が分かっていました。今回進めている話は観光地での開催です。誰が来るのか、どれほどの人出か皆目見当がつきません。はたして、参加希望者が鶴を折れるのかどうかさえ。
M君は完成品の販売も目論んでいます。「外国人なら高く売れるかも」などと、取らぬ狸の皮算用。僕は折ることが好きなだけで、飾ることに興味はありません。その点、M君はきれいな箱をこしらえて、付加価値をつけるのがうまい。
単なるワークショップだけでなく、「君が折って、僕が売る」という構図を描いているようです。「和紙のお金を出すから、たくさん折って」というご要望にお応えして、毎日せっせと折っています。これがまた楽しい。
M君のお気に入りは「青海波」です。さながら、九羽の鶴が並んで飛んでいるかのよう。連鶴の考案者である魯縞庵義道さんは、同じ向きに飛んでいる姿を描きました。それではつまらないので、一羽だけ違う方向にしてみました。
言ってみれば、当世流行りの多様性です。大谷翔平君は「勝つためには、みんな同じ方向を見ていること」と言いましたが、それはそれ、これはこれ。青海波の一羽くらいは、別な方向を向いた鶴がいても良いんじゃないかと思います。
どの鶴を「あっち向いてホイ」にするかは、その時の気分次第。これが、結構気に入って、最後の一羽を折ることが楽しくなってきます。M君に聞いてみました。「どっちが良い?」「お任せします」と即答。まあ良いか。
翌日M君から「やっぱり、青海波は同じ向きが良いかな」とLINEが来ました。あれから悩んだのかなあ。まあ、それはそれ、同じ向きなものもこれまた多様性のうち。再び、一斉に同じ方向を見る青海波を折り始めました。