小学生のスポーツは楽しいだけで良いと思います。さらに、できるだけ多くのスポーツを経験して、自分に合ったスポーツを見つけることが大切だと考えるのです。僕らコーチの仕事は、スポーツのおもしろさを教えることに尽きます。
バスケットだけを週3、4回練習するなどはやり過ぎ。全国大会出場などは、「百害あって一理なし」とまではいかなくとも、害の方が多いに決まっています。何より、落ちこぼれは置いてきぼり。これが諸悪の根源です。
その点、我がチームはおもしろいことだけを求めています。もっとも、ウォーミングアップやストレッチは嫌がっても無理強いします。これはケガをしないための最低条件。それが済めば、基礎練習でさえ楽しい練習を優先します。
ドリブルの練習は単調で飽きるので、ドリブル鬼ごっこなどを取り入れます。最近、おもしろい練習を見つけました。ゴールに見立てたボールケースを、鬼が押しながら逃げます。それをドリブルで追いかけてケースにボールを放り込みます。
子供たちが名付けました。「どうして逃げるの、ボールケース」略して逃げケー。これが意外とハードです。ダッシュの連続で倒れ込む子が続出。それでも、笑顔が絶えません。子供は楽しいと全力を出し切ることを知りました。
逃げケーは思わぬ大ヒットでしたが、おもしろい練習を考えるのはとても難しい。つまらない練習はすぐに飽きます。バスケットだけでは間が持たないので、ドッヂボールやフリスビー、ボッチャなども取り入れます。
もう一つ、他のチームと違うのは男女混合ということです。小学生を男女別に分ける根拠はありません。それが証拠に、小学生スポーツテスト男女別の記録は、日本以外のどの国でも見受けられません。男女に分ける発想自体がないのです。
久保建英選手の所属するスペインのソシエダが、小学生クラブに育成システムを授けています。特筆すべきは、男女混合。そして、競争を目的にしていないこと。さらに、全員が試合に出場させること。うちのチームと一緒だ。