見えない障害とは | kuwanakenのブログ

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プラス思考は、好きじゃない。
前を向いたり、しゃがんだり、
振り返ったり、無理をせず、
幸せレンガを、積んでいこう。

 車椅子ツインバスケットの大会に参加しているときは、いつも気の合う選手たちと障害ネタで盛り上がります。そんな時にはいつも僕が愚痴をこぼします。「直腸を12センチ切り取ったのに、障害者手帳もらえないのは差別だ」

 

 実際に排便障害で社会生活に支障をきたしています。トイレが我慢できないので、トイレが近くにないと困ります。とりあえずは専業主夫なのでことなきを得ていますが、バスケットなどで外出するときは食事を抜きます。

 

 でも、この程度では障害者手帳はもらえません。直腸の場合は、人工肛門でストマをつけるか、完全便失禁を伴うことが条件です。僕はそこまで悪い状態ではないことになります。問題は公平かどうかということです。

 

 岳父は手の親指を切断しました。障害者手帳をもらっていたので、税制面や鉄道や高速道路など様々な支援がありました。本人は障害を気にしていませんでした。「麻雀の牌を積む時に不便なだけや」ということです。

 

 親指5センチは障害者認定、直腸12センチは認定されず。車椅子利用者の友人が「見えない障害は分かりづらい」と慰めてくれます。僕は愚痴をこぼすくらいで我慢したほうが良いですが、問題はもっと根の深いものになっています。

 

 たとえば、車椅子に乗っていれば多くの人が気を遣ってくれます。数年前、ぎっくり腰が治らないまま旅行した時に車椅子を利用しました。ホテルや空港スタッフは言うに及ばず、通りすがりの旅行者にも優しい声を掛けられました。

 

 精神障害者はどうでしょうか。トゥレット症のチックは、突然大きな声を出したり、変わった動きをしてしまいます。それを理解してくれる人は少ないでしょう。アスペルガーの症状は「空気を読まない」と周りから敬遠されるばかり。

 

 精神障害を認めたくないという病識問題も、人に知られたくないという現実も、「見えない障害」を複雑にしています。できることがあるとすれば、僕みたいな「ちょっと変わった人」を優しく見守ることくらいかな。