新聞社、スポンサーとの駆け引き | kuwanakenのブログ

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前を向いたり、しゃがんだり、
振り返ったり、無理をせず、
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 朝ドラの「ちむどんどん」は、食いしん坊暢子の物語です。沖縄料理がたくさん出てくるのが魅力です。暢子が沖縄そばを手打ちする場面は、目を凝らしていました。出来栄えは、いかにも家庭の手打ちといったところで微笑ましいです。

 

 先日の放送では、暢子の古い友人和彦が上司と揉み合う場面がありました。新聞記者の和彦は、新聞広告に対する批判記事を書きます。その広告主は新聞社の大口スポンサーだったので、上司と揉めたというわけです。

 

 和彦は「女性は料理を作るのが当たり前」という前提の広告を許せませんでした。今でいうジェンダー問題です。新聞は社会の公器であり、スポンサーにへつらってはいけません。若い新聞記者の信念は鈍っていないようです。

 

 蕎麦屋をやっているとき、近くに新聞社の名古屋支社がいくつかありました。記者さんは暇な時間に食べられるので、仲良く話すことも多かったです。話が尽きず、閉店後に居酒屋へ移って話し込むこともままありました。

 

 四日市公害を初めて取り上げたという記者さんの話は印象的でした。そもそも、公害という言葉がなかったそうです。四日市コンビナートといえば大企業ばかりです。その全てを敵に回しての大立ち回りを、誇らしげに語ります。

 

 ある時、友人が大手スーパーの批判を、何社かの読者投稿欄に送りました。その投稿は朝日新聞だけに掲載されました。朝日新聞の記者さんが「スポンサーの批判を中日さんは載せないよ。うちは違うけどね」と自慢げでした。

 

 日本新聞協会が「新聞は歴史の記録者であり、真実の追求は記者の責務」と宣言したことがあります。新聞社が上場しないのもうなづけます。株主やスポンサーの顔色を窺っていたら、事実は書けなくなるからです。

 

 ちむどんどんの揉めた場面では、「お前と話すことは何もない」という上司に「新聞記者が議論しなくなったら・・」と詰め寄る場面がありました。その後のセリフは上司に突き飛ばされて聞こえません。何と言いたかったのでしょうか。