同郷で戦う「ウクライナの英雄」 | kuwanakenのブログ

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振り返ったり、無理をせず、
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 アマゾンビデオで「バンデラス ウクライナの英雄」を見ました。2014年ウクライナ東部のドネツク州が舞台です。小さな村で、乗合バスが銃撃されました。町の人はウクライナ政府軍がやったと怒ります。本当は親ロシア軍の悪だくみです。

 

 この映画はウクライナのプロパガンダなので、ウクライナ人が正義のヒーロー、ロシア側が悪役です。極悪非道のロシア人が暴れます。村の人はデマを信じています。ウクライナ政府軍を憎み、ロシアの支援に喜びます。

 

 ランボーと違って分かりやすい勧善懲悪とはいきません。村の若者が、ウクライナ政府軍と親ロシア軍に分かれて戦わなければいけないからです。さらに、両者の目的が村を守るためというのですから、混乱を極めます。

 

 先日、NHKで2014年のキエフ独立広場のドキュメントを再放送していました。ドネツク州の若者たちが独立広場にテントを張って、親ロシア派の行動を監視します。覆面姿の一群が松明を持って煽ってきます。戦争の口実を作ろうとしているそうです。

 

 若者たちはウクライナを守ろうとキエフへやって来た義勇軍です。ところが、故郷のドネツクでは裏切り者呼ばわりされることがあります。親ロシア派の住民が多い土地です。これはドキュメントですが、切り口はウクライナ寄りです。

 

 日本ではロシア側の報道が少ないです。ドネツク州の親ロシア派の住民は、正反対の話をしてくれそうです。彼らはウクライナからの独立を望んでいます。それをウクライナ政府軍が押さえ込み、8年に渡り武力衝突が続いているのです。

 

 プロパガンダ映画「ウクライナの英雄」でさえ、正義の両面性を見せてくれます。プーチンさんが悪魔でゼラチンスキーさんが正義の味方というステレオタイプも、ドネツク州では通用しない地域があるということです。

 

 侵略戦争が悪魔の仕業だということは間違いありません。ただ、操られているのは生身の人間です。互いの憎しみは根深いと想像します。戦争の止め方も、その後の融和策も一筋縄ではいきません。僕らのできることは何でしょう。