東南アジアの経済が、底堅い成長を続けています。
今日はこの話題です。
東南アジア主要6カ国の、2014年GDP増加率が17日に出揃いました。
ざっとこのような数字です。
(↓は減速、↑は加速)
ベトナム 5.98% ↑
マレーシア 6.0% ↑
フィリピン 6.1% ↓
インドネシア 5.02% ↓
シンガポール 2.9% ↓
タイ 0.2% ↓
以上のように、マイナス成長の国はなく、増加しています。
ひとつずつ見ていきましょう。
まず、ベトナムです。
ベトナムでは、外資誘致が盛んで、サムスンなどの外資系製造業による輸出が好調でした。
それにより、新車販売台数が43%も増加。
高額消費が目立つようになりました。
次にマレーシアです。
マレーシアは、公務員の堅調な消費が成長率を押し上げましたが、これはこれで問題があります。
TPPです。
マレーシアでは、国有企業や公務員を優遇しており、これがTPPの交渉を難航させています。
次はフィリピン。
フィリピンは、2013年のGDP増加率7.2%からぐっと下がりました。
それでも6.1%の成長率があるのは、消費が盛んに行われているからです。
2014年前半は、インフレが進行し、個人消費が落ち込みました。
しかしその後、原油安が好奏し、持ち直しました。
フィリピンは、世界中に出稼ぎ労働者を抱えており、年3兆円近い海外からの送金が、これら個人消費を支えています。
次にインドネシア。
インドネシアでは、2014年7月に大統領選挙が行われ、ジョコ大統領が就任しました。
それまでの間、政策を見極めるのに、外資の投資が控えられ、2013年5.58%成長から減速しました。
2015年は持ち直すことになりそうです。
次にシンガポールです。
シンガポールでは現在、製造業が伸び悩んでいます。
1人あたりGDPは日本よりも多いシンガポールですが、2013年の4.4%成長からぐっと減速しました。
製造業が伸び悩んでいるということは、輸出先の経済が伸び悩んでいるということでもあります。
実際、大きな輸出先である中国は、経済が減速中です。
最後にタイです。
タイは、2014年、軍事クーデターがありました。
その影響で、外資の投資が滞り、2013年の2.9%成長から減速しました。
以上が、東南アジア主要6カ国の現状です。
これら東南アジアの主要新興国は、ロシアやブラジルなど、他の新興国と違って、全体的に底堅い成長が続いています。
これから先、日本から進出する企業も増えそうですし、東南アジアから日本に来日する観光客も増えそうですね。