日頃お世話になっている方が
ここ数カ月山で木を切っていらして
1本ずつ鋸で切っておられるというので
見学をさせていただいてきました。
町にいたら木を切ることすらないですが
しかも機械でなく鋸で切るなんて・・・
なんと貴重な機会でしょうか。
春から息子さんがお家を建てるそうでそのための木なのだそうです。
確か70年ほど前に植えられた木とおっしゃっていたかと。
2世代、3世代にわたって育てた木々が家になるってなんだかすごい・・・。
その山としてみたらご先祖様から脈々と続くわけで
ご先祖さまからの愛情が育んでくれた木々ということですよね。
なんて豊かなのでしょう。
長い年月育った木々はいろいろな太さがあるそうですが
太いものは男性が手を伸ばしても届かない太さ。
鋸をひくのもさぞかし大変なんだろうと思ったら
す~っとしなやかにひいておられてなんだか美しい。
もちろんそれはお上手だからであって簡単なことではないのですけれどね。
倒す方角とか重心とかいろいろ計算しながら
ある程度のところまで切って楔を入れる。
太く大きく育った木がゆっくり静かに倒れて行くのをみていたら
きっと木は全てをわかっているんだろうなと思ってしまうくらい・・・静かに。
木を切る前、おひとり静かに木に挨拶をしていらっしゃいました。
お礼やお祈りだったのでしょうか。
我が家も木を切るときにはお酒をお供えして
挨拶をしてから切りだすので何か同じ空気を感じた時間でした。
切りたての切り口は想像以上に湿っていて
美しい年輪がたくさん刻まれていました。
木を植えた人
木を育てた人
木を切った人
木を育んだ大地
それを形にしてゆく職人さん
たくさんの人の手と時間と愛情があわさって
きっとすてきなおうちができるんでしょうね。
なんだかわたしまで楽しみです。
昔はどこの家もそうして建てられていたのでしょうね。
100年も200年ももつ家を自分たちで当たり前に・・・。
木を育て、家を建て、家はまた大地にかえる。
昔はすべて自然の中で循環していたのですよね。
お父さんは私たちに山で静かにいろいろなことをお話してくれて
穏やかなしあわせな時間でした。
ご縁に感謝。