鮎釣り始めてからずっと憧れていたことがある。
それは、「時合い」ヽ(;▽;)ノ
夕方になると、それまで釣れなかったポイントでも急に怒涛のイレガカリが来ると言う伝説
色んな人からそんな話を聞かされた。
自分は、近くに鮎釣りのできる川が無いのと、何より根性が無いので、なかなか夕方、目印が見えないなるまで竿をだしてるようなことはなく、そのせいかどうか定かでないが、時合いとイレガカリには無縁だった 。
でもその日は、川のすぐ近くに宿をとっていた。
兵庫県揖保川の支流、伊沢川近くの伊沢温泉。
その頃は、まだ揖保川も活気があった…。
本流では尺鮎も釣れる好ポイントに腕達者な鮎釣り師がこぞって竿を並べていた頃。
私はでも、ヘタレなので支流の伊沢川が大好きだった。川幅も8m竿にちょうど。ポイントを上から下まで見渡せるほどでそれでいて釣り返しがきく優しい川だった。
その日は、昼間、本流で痛い目にあってからの、伊沢川着。15時は過ぎていたと思う。
車を止める所の直ぐ下の、自分の専用区にしたい様なポイントには、先行者ありだった。
近づいて挨拶をする。
「こんにちは♪釣れますかー?」
鮎釣りでお決まりの挨拶だが、これの返事には、2パターンある。
釣れているのに、「いやー全然です」と言う人と、本当に釣れてなくて「3匹です」とか言う人があることをだんだんわかってきた。
先行者は、後者だった。
お年齢もかなり、70は過ぎておられるベテラン鮎釣り師とみた。
私をみて、仕舞う準備をするので、
「いえいえ、大丈夫ですよ、他に行くので、もう少し釣られてはいかがですか…」と言うと
「いや、もう引き上げんとな、家で妻が待っとるから、…鮎が好きでな。」
そう言いながらまだ元気な養殖囮鮎を川に放していた。
「ここ、釣れなかったですか?」と聞くと
「ほんにポツ…ポツぢゃわ、5つしか釣れんかった、ワシらくらいの歳になるともうここくらいしか竿をだせるとこはないからの…。まぁ晩飯にはちょうど良かろう、あんたは頑張って釣りんさいよ。」
優しい笑みを浮かべて去っていかれた後を自分が竿を出してみた。
時刻は16時を回っていたか?
なんと、ポツポツではなく、ポンポンと30分ほどで、先の鮎釣り師の釣果をクリアした。
えーっ!!…コレが「時合い」と言うもんか!
初めて、夕方のイレガカリと出逢った。
…それから、時々、泊まりがけで鮎釣りに行く時は夕方の時合いを夢見て頑張ったことがあるが、とんとあの時の様な感じには出会えず…。
伊沢川は、その後台風とかにやられて、すっかり川相が変わり、鮎も釣れなくなってしまった…。
私の様な下手くそでも楽しい鮎釣りのできる、優しい川が年々減っていく様な気がする(;_;)
…もう一度でいいから、伊沢川でワーワー言いながら釣ってみたいなぁ(*´ー`*)
今度は、自分が良く釣れるポイントをどうぞ!としょんぼりした人に代わってあげたいなぁ…。
あ、自分が良く釣れるポイントを見つけられるかどうかが最難関だった…な。ヽ(;▽;)ノ
楽しい鮎釣りシーズンが来ますように。



