野口勢津子です
昨日、
１２月２５日は
私たち夫婦の
結婚記念日です
毎年特に
何もしてこなかったのですが
今年は主人が
私のリクエストに応えて
スパークリング・ワインを買ってきてくれました
今年は私たちにとって
再出発となる大切な年。
そう、
私たちは一度
壊れてしまった夫婦なんです。
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２年前の夏
特に決定的な出来事が
あったのではなく
「忍耐」という絆だけを頼りに
ひたすら耐えてきた
私の心が
疲労骨折のように
突然
折れてしまいました
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再生は不可能、
と話し合いにも応じず
「とある講座に一年間通ってもらうなら」
と再生を望む夫に対して
私が出した結論は
お互いに答えを早急に出さずに
自分の行動を振り返る場所で学び
建設的な関係として
変わることができるか。
それから今後について
話し合おうと決めました
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それから夫は
時間の調整、金銭的な調整
様々な懸案を後回しにしてでも
学ぶことを最優先として
毎週通い続けました
感情的に怒鳴ったり
大声を出して威嚇しなくても
自分の考えを相手に伝えられること
怒りの感情に呑まれそうに
なった時に相手にぶつけずに
心を整えること
自分と相手には
違った考えや生活のペースがあること。
学んできたことを
彼は
一つ残らず自分の身体に
覚えこませるように
全力で取り組んでいました
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自分で出した条件とはいえ
人格も尊厳もある
一人の人間が
これまで慣れ親しんだ
ライフスタイルを捨て
新しい行動・習慣を
一方的に受け入れようとしている姿は
直視できないほど
苦しく、時には痛々しさも
感じるほどでした
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アドラーを学ぶ一人として
「人は死ぬ２、３日前まで
変わることができる」
その信念をもって
取り組んできた２年間。
私も変わろうと学び
まだまだ道半ばですが
あの時
新たな方向へ舵を切った行動は
確実に実を結び
何もしなかった時とは
見違えるほど変化がありました
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ところが
何もなかったかのように
明るく振る舞う夫に対して
私の心が
まだなお、
警鐘をならすのです
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夫を許せない感情なのか
一度崩れた信頼が
再生できないもどかしさなのか。
自分の心の葛藤・不安・
いらだち・不甲斐なさ・・・
言葉にならない感情が
私の心を占領していました
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そんな最中
たまたま
夫の通う講座の代表の方に
会う機会があり、
夫の変化を知っている
この方になら、と
私の気持ちを
正直に伝えました。
その方は
じーーっと私を見つめて
黙って最後まで話を聴いたあと
すっと立ち上がり
「野口さん、『金継ぎ』って
ご存じかしら？」
といって食器棚の前に向きました
私は首を振ると
食器棚からあるきれいな
湯呑をひとつ見せながら
この湯呑はね
ここに金色のきれいな模様があるでしょう？
でも
もともとはこの模様は無かったの。
日本にはね
昔から物を大切にする考えが
生きていて
茶碗や湯飲みなどの瀬戸物が割れても
すぐに捨ててしまわずに
その割れや欠けを
金でつないで新たな模様のように
活かすことで
もとの瀬戸物より
更に味わい深くなったといって
大切に使い続ける技術があるの。
野口さん、
私はあなたたちのような夫婦は
一度壊れてしまった
この瀬戸物と同じだと思うの。
割れたところを
何もなかったかのように
傷をいくら隠してくっつけようとしても
それは別物。
元の形にそっくりだけど
完全に元通りにはなれないの。
あなたが今
苦しいのは
あなたたち夫婦が
それを目指しているからじゃないかしら。
一度壊れた夫婦には
私はいつも
『金継ぎの夫婦』
を目指していきましょう
と話しています。
訳あって
一度は壊れてしまった関係。
元通りにはならないけれど
その傷を隠そうとするのではなく
むしろ
「あの頃は大変だったけど
あの出来事があったから
今のような私たちになれたね」
と過去を金継ぎの模様のように
認めて受け入れること。
過去を
なかったことにするのではなく
2人でそのことを
明るく話題にできる事が
真のゴールなんじゃないかしら。
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私は泣きました。
泣いて
泣いて
泣きました。
自分の言葉にならない感情が
やっと分かりました。
そう。
私たちは
何もなかったあの頃には戻れない。
けれども
再出発するには
その壊れた傷を
なかったかのように振る舞うには
無理があって
そこが苦しかったんだと。
そうか、
私たちは
『金継ぎの夫婦』を
目指していけばいいのだ。
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まだまだ私たちにとっては
金継ぎ模様は
生々しく
愛でる境地には
到達できていませんが
いつか
味わい深く見つめることが
出来る日を目指して。
新たな一歩を
踏み出していこう。
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最後に。
こんな赤裸々な内容を
書くにあたって
事前に夫に相談しました。
あっさり快諾してくれたことに
感謝して書くことにしました。
自分の心の整理がついた節目に
この場を使わせて頂いたこと。
心より感謝します。
なお
勝手ながら
コメントを返せるような
心境に至っておらず、
コメント欄は開けておきますが
返信は割愛させて頂きます。
最後までお付き合いいただき
ありがとうございました。
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2015年１月20日（火）
