すっかりブログをご無沙汰している内に、暦は過ぎ、一雨毎に秋が深まってきました。
人気のない道をマスクを外して歩いていると、甘く爽やかな香りが漂ってきます。
いつの間にか金木犀の頃になったのですね。
この、一年で一番好きな季節に、元町山手のイギリス館で、生徒さんの発表会を行いました。
今回は、バイオリニストの尾崎杏奈先生をお迎えして、生徒さん達は初めてバイオリンとのデュオを経験することが出来ました。
初めての合わせ練習では、尾崎先生のバイオリンにうっとりする生徒さん、ついていけなくて呆然とする生徒さん。
けれども皆んな本番では、素敵なバイオリンの旋律に合わそうと一生懸命頑張りました。
尾崎先生も、デュオ初心者の子ども達を温かく包み込むように演奏して下さいました。
そしてソロ演奏はもちろん、ファミリー連弾もと盛りだくさんなプログラムとなりました。
子どもというのは、親が心配するよりも本番に強いものです。
緊張もせずケロッと実力以上を発揮してしまいます。
ところが、年齢が上がってくるにつれ、失敗することの怖さ、より良い演奏をしたいと望む気持ち、などが起きてきて、緊張して、いはゆる"あがってあたまが真っ白になる"という状態になることがあります。
今回、ある小学3年生は、お姉ちゃんの言っていた、"手が震える" ということを初めて経験したそうです。
4年生の男子は、初めて緊張するということを知ったそうです。
毎回この発表会を手伝ってくれる、私の従姉妹は、なくてはならない私の力強い右腕です。
彼女は、中学二年生の男子の美しいショパンのノクターンにうっとりと聴き入っている時、ふと、彼のペダルを踏む足が小刻みに震えていることに気づきました。うるうるしながらも心の中で、"頑張れ、頑張れ!"と応援してくれたそうです。
生徒さんたちが、緊張と戦いながら集中して演奏しているのを聴いて、こちらも頑張らなければと、力をもらうことができました。
そして、子ども達の限りなく広がる可能性に思いを馳せた発表会でした。