「花になれ」は2012年ごろのエキシビジョンナンバーで、羽生君の初期エキシの代表作だと思う。
2012年、仙台でのNHK杯初優勝のとき、そして、同じ年の全日本初優勝のときのエキシでも披露された。
2014年のオリンピック初優勝後のアイスショーでもよく滑っていた。
私は2014年GPFで羽生君のファンになったのだけど、ファンになりたてのころ、動画巡りをしたときによく出会ったのが、この「花になれ」だった。
そして、初めてエキシのプログラムに魅せられた。
フィギュアスケートのライトファンだったころは、スポーツとして見ていたので、試合でのドキドキわくわくを楽しんでいた。
そして、たまにエキシも見ていたけど、正直に言うと、フィギュアスケートは試合のほうが、はるかに見ごたえがあると思っていた。
技の難易度やスケーターの本気度、覇気において、エキシは試合よりも見劣りすると思っていたのだ。
そんなときに、羽生君のファンになって、この「花になれ」に出会った。
このプログラムは、ショーやエキシ用に作られたプログラムなので、難易度という点では競技プロに及ばない。
だけど「魅せる力」は、競技プロに勝るとも劣らない。
そのことに驚いた。
「花になれ」の曲は、指田郁也さん作詞作曲。
日本語のストレートな歌詞にのせて滑る、羽生君の心情がひしひしと伝わってくる。
それは、とてもピュア、純粋というのが、最初に見たときの印象だった。
歌詞の心情そのままに、心を込めて滑る姿に、心打たれた。
まっすぐに気持ちをのせて滑る。
そのあまりにもピュアな愛情に圧倒された。
そして、このプログラムは、24時間テレビでも2度にわたって披露された。
2015年と2021年だ。
2015年は、福島の方たちを招いての披露だった。
最初に滑られたのは「天と地のレクイエム」。
このプログラムはストレートに震災がテーマになっていて、悲しさとつらさを感じるプログラムだ。
そして、その後に、指田郁也さんの生演奏にのって披露されたのが「花になれ」だった。
とても感情のこもった滑りで、ストレートに愛情を伝えるという、このプログラムの真骨頂の滑りだった。
そして、2021年の24時間テレビで、久しぶりに披露された。
「花になれ」は、羽生君の初期のエキシの代表作と書いたけど、その後にも「notte stellata」や「春よ、来い」という素晴らしいエキシプログラムが生まれたので、久しぶりの披露だった。
2021年の「花になれ」は、愛情や慈しみはそのままに、なんだか、とても成熟していた。
時を経て再び出会うことができて嬉しかった。
羽生君は一つ一つのプログラムを、それはそれは大切にしているので、こうして思わぬところで、再会することができる。
「花になれ」は、どこかでまた再会したいプログラムの一つだ。