「RE_PRAY」たまアリ2日目を、現地で見てきた。
初日は新プロを全く咀嚼できなかったので、録画した「RE_PRAY」を見てから出かけた。
今日も満員のたまアリ。
開演前から静かな熱気が充満している。
席は今日もA席ステージより。
昨日とは対岸の席だった。
今日は全体の流れと、どのプログラムが来るかが分かっているから、少し落ち着いて見れるかなと期待。
昨日の夜に録画を見て、羽生君の表情をじっくり見ることができた。
私は羽生君の表情からも多くを受け取っているようで、録画を見ることによって、1つ1つのプログラムに込めた気持ちを自分なりに受けとることができた。
録画を見ると、1つ1つのプログラムにかける気持ちが痛いほど伝わってきた。
全てのスケートに全身全霊をかけていて、全ての瞬間に気持ちが込められている。
それもあって、ほんの一瞬も見逃せないという気持ちで見つめる。
最初のプログラムは「いつか終わる夢-original-」。
昨日の「いつか終わる夢;RE」を頭の片隅に思い浮かべながら見る。
やはり、この2つはかなり印象が違う。
こちらは、音楽もあいまって、重々しいさと切実な祈りを感じた。
次は「鶏と蛇と豚」。
昨日はあまり認識できなかったけど、今日は録画で予習したので、しっかりと認識することができた。
A席なのでライティングがよく見えた。
前半は赤い色が印象的なライティング。
この部分は、逃れられない業(ごう)のようなものを感じた。
そして、プログラムの後半に、天に伸びる柱が立ち並ぶようなライティングがあった。
神殿のようにも、大寺院の柱のようにも見えて、荘厳さを感じた。
業(ごう)と荘厳さが入り混じるプログラム。
音楽も素晴らしい。
これは繰り返し見てじわじわ来るプログラムかもしれない。
そして、この次がサプライズだった。
てっきりホプレガが来ると思って、そのイメージで待っていた。
そうしたら、衣装が赤い。
一瞬、順番がガラッと変わって「破滅への使者」が来るのかと思ったが、次の瞬間に「阿修羅ちゃん」だとわかる。
その時の会場の盛り上がり。
多くの方に愛されているプログラムなのだなと思う。
意表をつかれるままに繰り広げられる「阿修羅ちゃん」と、盛り上がる会場。
あっという間の出来事だった。
そして、「Megalovania」。
最初は無音の中、羽生君のスケートの音だけが響く。
実は、昨日このプログラムを見たとき、録音しているスケート音に合わせて滑っているのだと思っていた。
なぜなら、遠く離れたA席にも、はっきりと聞こえたから。
でも、録画を見ると録音ではなく、ライブのスケート音だとわかった。
今日も、氷をたたく音、削る音がはっきりと聞こえた。
こんなに大きな音を立てることができるのだと、驚く。
そして、会場の静けさにも。
公演全体を通して、会場が固唾を飲んで見守っているので、場面によっては1万人以上の人がいるとは思えないほどの静けさに包まれる。
そして、音楽がかかると、怒涛のスピンが始まる。
昨日、現地で見たときは認識不能におちいってしまっていたので分からなかったけど、録画で見ると、スピンにつぐスピンだということがわかる。
それにしても、この「RE_PRAY」で羽生君は、いったい何回のスピンを回ったのだろうと、気が遠くなる。
そして、待望の6分間練習がやってくる。
競技時代、テレビで見つめていた6分間練習。
会場全体が静まり返って、みんなの視線が羽生君1人に注がれる。
緊張が高まる。
絶対にジャンプを落とさないという気迫を感じた。
そして、「破滅への使者」が始まった。
録画で確認したこのプログラムは、音楽と身体の動きが独特で、競技プロのような構成なのだけど、今までの競技プロとは一線を画しているように思った。
実は開演前密かに、6分間練習が来るとしたら、そこで滑られるのは新プロではないかと思っていた。
これは勝手に思っていること(妄想かも)だけど、羽生君は1シーズンに1つは、競技プロなみの難易度のプログラムを作るのではないかと。
昨年は「僕のこと」がそれにあたると思っている。
「破滅への使者」はタイトルといい、ゲーム内でのあり方といい、一筋縄ではいかないプログラムのように思える。
(ゲームについては、にわか知識だけど)
録画で昨日のジャンプ構成を確認していたので、ジャンプが来る度に見ているこちらも力が入る。
昨日とはジャンプ構成が違った。
今日のが、元の構成なのかな。
それにしても、SPを優に超えるジャンプ構成。
フリーの構成に近い。
それを前半最後に滑るとは、なんだかとてつもない。
ここまでで、前半が終了。
前半最後の演出が昨日とは違ったので、後半はどうなるのだろうと思ったけど、後半はほぼ同じだった。
まずは「いつか終わる夢;RE」。
これがピアノの音と相まって、最初の「いつか終わる夢-original-」とはずいぶん印象が違う。
裏と表、陰と陽ぐらい、違って感じられる。
これは、同じゲームでも全く違う道筋を通ることを表しているのだろうか。
(こういったゲームをやったことがないので、悲しいほどゲーム的な解釈ができない・・)
次は何がくるのかドキドキしたけど、ここは「天と地のレクイエム」だった。
このプログラムを見ていると、本当に羽生君の心がプログラムに乗り移っていることを感じる。
そう考えると、今回の「RE_PRAY」で披露されたプログラムは全て、羽生君のプロデュースによると思われるものたちだった。
競技時代、後半になればなるほど、プログラムは羽生君の意志によってつくられていたと思われる。
今回はそういう、最も羽生君の気持ちを乗せることができるプログラムたちが滑られたのだと思う。
「天と地のレクイエム」は、突き刺さるような思いがひしひしと伝わってくる。
そういうプログラムを競技時代に作っていたのはすごいことだなと、改めて思った。
(このプログラムは初見の時、衝撃だった)
そして、ついに「あの夏へ」。
今日はプロジェクションマッピングの効果がしみわたった。
最初は水面に落ちる波紋の中を滑る。
やがてリンク全面を水がおおい尽くす。
水は寄せたり引いたりしながらそこに在り、ずっとリンクをおおう。
奪いもするし与えもする、水の力を感じた。
その中を羽生君がたった1人で舞う。
それは、人ならざるものに見えた。
生身の人間というよりは、多くの人たちの祈りが具現化した姿というか。
その美しさ。すごみ。荘厳さ。
とてつもないプログラムだと思う。
そして本編の最後は「春よ、来い」。
ここで現実世界に少し戻ってきたような気持ちがした。
「RE_PRAY」は、見る方にも多くのことを突き付けてくるICE STORYだと思う。
厳しい問いかけが、全ての人に対して繰り返される。
決して甘くはない。
そんなICE STORYの最後に来るのは「春よ、来い」。
このプログラムをおいて他はないと思う。
今回、初日の冒頭から感じていたのは、羽生君のスケートは、まるで奇跡のようだということ。
こう言うと大げさに聞こえるかもしれないけど、羽生君のスケートを映像にしろ現地にしろ見せてもらえるというのは、決して当たり前のことではない。
これだけの気持ちがこもった、これだけ美しいものがこの世にあるのかと、しみじみと思った。
人間を感動させるのは、人間。
その素晴らしいスケートに感謝をこめて。