「RE_PRAY」横浜1日目を現地で見た。
席はスタンドSS席ロング。
自分史上、1番リンクに近い席。
SS席の前の方だったので、アリーナのすぐ後ろという感じだった。
この席だとスケーティングがよく見えるし、近くで滑っているときは、かろうじて表情も見える。
その代わり、プロジェクションマッピングは、あまり見えない。
そういう場所から見た羽生君のスケートは、一言でいえば「綺麗」。
とにかく、色々な意味で綺麗だった。
まずはスケーティング。
たったワンストロークのスケーティングが、スーッとよくのびる。
そして、そのスケートに無駄な力がまったく入っていなくて、すごく洗練されていることがよく分かった。
1つの公演で12ものプログラムを滑りきる、その秘密の一端は、この洗練されたスケート技術にあるのではないかと思った。
1つ1つの所作や滑りが磨き上げられていて、無駄な力が入っていない。
それによって、余計な体力を使うことがないから、12ものプログラムを滑りきれるのではないかと。
単独公演というのは、羽生君の高いスケート技術をもってして、初めて可能になるのだと思った。
そして、とにかくスケートそのものが「綺麗」。
動きも、所作も、表情も、スタイルも、そして込められた心も。
ファンのみなさんが「発光している」というのが分かった気がする。
近くで見る羽生君のスケートは本当にキラキラとしていた。
ここからはプログラムごとの感想を。
「いつか終わる夢-original-」
最初のプログラムでは、自分史上最高の近さにとまどいすら感じた。
アリーナを知っている方からしたら、そんなに近くはないのだろうけど、今までは遠い席からしか見たことがなかったので、こんなに近くで見れるのだと、感動してしまった。
そして、ワンストロークの長さに驚いた。
目のまえをスーッと片足で滑っていく、そのなめらかさ。
このプログラムでは羽生君のスケーティングを堪能した。
「鶏と蛇と豚」
大好きなプログラムなので、食い入るように見る。
今回、印象に残ったのは、上半身の振付の繊細さ。
その動きは、とても洗練されていた。
スッスッ、ピタッピタッと決まる感じ。
本当に無駄な力が入っていなくて美しいなと思った。
「Hope&Legacy」
競技プログラムを生で見れるというのは、格別。
このプログラムには「命」への思いが込められているように感じた。
「Megalovania」
実は「RE_PRAY」の中で、このプログラムが一番、咀嚼できていない。
やるせなさ、怒り、悲しみといったものを(勝手に)感じてしまうプログラム。
おそらく、このプログラムに込められているのは、そんな表層的なものではなく、もっと深い思いなのだろうけど、ゲーム「Undertale」をやったことがないこともあって、まだまだ解釈できていない。
そして、6分間練習。
今日は、この6分間練習と「破滅への使者」から、ノーミス・パーフェクトへの気迫を(勝手に)感じた。
6分間練習の時点で、すごく練りこまれているような気がした。
まったく無駄な動きがなく、どうすればパーフェクトにジャンプを決められるかに照準を合わせているように思えた。
それゆえに、6分間という時間が一瞬のように感じた。
練習の時点でやはり4回転ジャンプが入る。
今日はきれいに、よく決まっていた。
これがまた、パーフェクトへの期待をいやがおうにも盛り上げる。
6分間練習では、スピードの緩急を感じた。
4回転ジャンプに入るときのスピードと迫力がすごかった。
考えてみれば、4回転ジャンプをこんなに見ることができるなんて、本当にすごいこと。
6分間練習と本番合わせて、かなりの数を見れたと思う。
そして、近くで見る羽生君の4回転ジャンプの美しいこと。
その高さ、回転、スピード。
とにかく大迫力だった。
そして、いよいよ始まる「破滅への使者」。
おそらく会場にいた多くの人たちが、パーフェクトへの意気込みと期待を感じていたのではないかと思う。
ジャンプが1本決まるごとに、大きな歓声と拍手。
今日は高難度ジャンプが次々と決まっていく。
終盤の5連続ジャンプが決まったときには、すごい歓声だった。
最後の3Aが少しステップアウトぎみだったのが惜しかった(このとき、羽生君が少し悔しがっていたように見えたのだけど、気のせいだろうか?)。
パーフェクトへの挑戦は最終日へ持ち越しになるのだろうか?
そして、フィニッシュ。
ほぼパーフェクトの演技を目の当たりにして、大歓声と拍手に包まれる。
会場の興奮で、拍手がなかなか鳴りやまなかった。
本当に素晴らしい演技で、いつまでも拍手していたいくらいだった。
こうして、濃密な前半が終わる。
ここから、後半。
「いつか終わる夢;RE」
近くから見たこのプログラムがまた、本当に美しかった。
と同時に、複雑な内面世界を持つプログラムだとも思った。
プログラムのなかで時折、羽生君が頭を左右に振る。
まるで、イヤイヤをするような、なにかを振り切るような動き。
この動きは3月11月の「notte stellata」で滑った「春よ、来い」でも見られた。
あまりに大きな悲しみに抗っているかのような。
何かを振り切ろうとしているかのような。
それとも、全く別の思いが込められているのかもしれない。
そんな動きだった。
そして、おそらく「RE_PRAY」のなかで分岐点となるような、大きな意味を持つプログラムなのだと思った。
それだけに、内面の葛藤や決意が表現されているのかなと。
「天と地のレクイエム」
このプログラムのときか、「いつか終わる夢;RE」のときか忘れてしまったのだけど、氷がキラキラと光っていることに気が付いた。
氷に光の粒がいくつも映っているような感じ。
最初はそういう演出なのかと思ったけど、実は、羽生君の衣装についているビジューにライトが当たってまばゆく光り、その輝きが氷に反射して光っているのだった。
おそらく、製氷したての滑らかな氷だからこそ、鏡のようになって、こんなにきれいに光っていたのだと思う。
羽生君のスケートとあいまって、えも言われぬ美しさだった。
そしてこのプログラムがまた、胸に迫る。
今日の滑りは、悲しみやとまどいを超越していたように感じた。
(近くから見たので、美しさに圧倒されただけかもしれないけど・・)
「あの夏へ」
自分にとって、リンクに近い席というのは、プログラム世界を感じるというよりは、ただただ羽生君のスケートに圧倒される席なのかもしれない。
目の前をスパイラルが通っていき、その美しさに見惚れてしまって、プログラム世界を深く感じるところまでいけなかったかも・・。
(「目の前」というのは、あくまで自分比なので、アリーナを知っている方からしたら大げさかもしれない)
「あの夏へ」が終わった後の映像がとても好きだ。
映像のなかで雨が降り注ぐ。
この雨が、わりと激しい雨。
感じたイメージは「慈雨」なのだけど、恵みの雨というのは激しめの雨というのが、羽生君が持つイメージなのかなと思った。
そして、いよいよ最後のプログラム、「春よ、来い」。
このプログラムに込められた心を感じ取ろうと、ひときわ集中して見た。
今日の滑りから感じたのは、全ての生命に対する愛情。
深く沈み込んで氷にひたすら近づくハイドロは、生命を生み出す大地への口づけのように感じた。
人間の本能の1つとして「愛情」というものがある。
そんなことを、この滑りから感じた。
そして、最後に祈りをささげて、「RE_PRAY」本編が終了した。
近くから見ると、羽生君は本当にキラキラとしていて綺麗だった。
遠くから見ても、近くからでも、羽生君のスケートは本当に素晴らしい。
そんなことを実感した「RE_PRAY」横浜初日だった。