木漏れ日の海 -13ページ目

木漏れ日の海

フィギュアスケートの羽生選手を応援しています。
プログラムの感想を中心に語ります。

「RE_PRAY」では、12ものプログラムが滑られる。

 

その1つ1つが珠玉のプログラム。

 

羽生君のプログラムは、1つ1つが独自の世界観とストーリーをもつ。

 

「いつか終わる夢」には、「いつか終わる夢」の。

 

「阿修羅ちゃん」には、「阿修羅ちゃん」の。

 

「破滅への使者」には、「破滅への使者」の。

 

「あの夏へ」には、「あの夏へ」の世界がある。

 

そういった珠玉のプログラムたちが、1つの大きなストーリの中で次々と繰り広げられる。

 

そして、「魂を込めて滑りを置いてきた」 という羽生君の言葉どおりに、1つ1つのプログラムに魂がこめられる。

 

それは、なんという体験だろう。

現地で見ても、録画で見ても、「RE_PRAY」を見るというのは。

 

この「RE_PRAY」というICE STORYのなかに、羽生君のスケートの全てが込められているような気がする。

そして、羽生結弦という生き方が込められているような。

 

だから、「RE_PRAY」を見る度に、こんなにも圧倒されるし、キラキラと輝くものを受け取るのだろう。

「RE_PRAY」横浜最終日の「破滅への使者」は、競技時代さながらのヒリヒリとした緊張感をまとっていた。

 

横浜では、1日目の6分間練習からして、それまでとは違っていた。

 

たまアリと佐賀の6分間練習は、「RE_PRAY」というストーリーの一部という感じで、おそらくファイナルファンタジーの世界観や「クジャ」というキャラクターを表現しようとしていたような気がする。

 

でも、横浜の6分間練習は「破滅への使者」というプログラムを完璧に滑りきるためにある感じで、その存在意義は競技時代の6分間練習と同じだったように思う。

 

まったく無駄なく、スキがなく組み立てられた6分間。

それは、「破滅への使者」というフリーに匹敵する高難度プログラムをノーミスするための準備の時間。

 

その緊迫感がまた、美しくもあり、現地で見ていたときはあっという間のできごとだった。

6分間練習で繰り広げられる4回転ジャンプは、あまりにも鮮やかだった。

 

そして、いよいよ「破滅への使者」が始まる。

やはり、圧巻だったのは横浜最終日。

 

いってしまえば、「後がない」。

おそらく、このプログラムが人前で滑られるのは最後。

ここで完成させなければいけない。

 

競技時代でいうと、シーズン最後の世界選手権のような緊迫感。

 

そんな中で最初の4Sがクリーンに決まる。

そして3A-2T、3Lo、4Tと、どんどんクリーンに決まっていく。

 

いよいよ、5連続ジャンプ。

見ている人の意識が一点に集中する。

成功。

 

最後の3Aは少し軸が曲がったように見えたけど、着氷後、すぐにイーグルにしてこらえた。

 

横浜最終日の録画を見ていて驚いたのは、ジャンプだけではなく、振付にも心と力がこもっていたこと。

 

いったい、どれだけ滑りこんできたのだろう。

 

公演後、記者会見での羽生君の言葉が記事になっていた。

 

「まだまだこれから構成を上げられる」とのこと。

 

燃えるような向上心。

この向上心が、羽生君をここまでのスケーターにしたのだなと感慨深かった。

 

横浜初日に、「メラメラしている」と言っていた。

「いまだに闘争心メラメラとしながら、一生懸命練習してこの舞台に立ってるつもりです」と。

 

そういう、燃えるような闘争心、向上心が羽生君の芯にある。

それが熱中を呼び、見る者の目と心を引きつける。

 

羽生君のスケートとともにある、上達への渇望。

「破滅への使者」ではそれを存分に見せてもらえて、嬉しかった。

「RE_PRAY」横浜2日目をCS放送の録画で見た。

 

本編を見ているときは、「RE_PRAY」が終わってしまうと思いながらしんみりとして見ていたけど、羽生君のMCを聞いて、ふっきれたような気がした。

 

印象に残ったプログラムたちを振り返ってみる。

 

まずは「鶏と蛇と豚」。

なにか、異次元の進化をとげていたように思う。

 

横浜1日目を現地で見た時、その繊細な美しさに驚いた。

最終日を録画で見ると、1つ1つの動きが練り上げられていて、言葉での表現が全く追いつかないぐらい、素晴らしいプログラムになっていた。

 

たまアリ初日から佐賀を経て、横浜の最終日に至るまで、進化し続けたプログラム。

ひょっとしたら、今回で最後かもしれないと思いながら見た。

 

そして、「阿修羅ちゃん」も今までとは違うアレンジが随所に散りばめられていた。

このプログラムは今後も見ることができるかもしれないけど、「RE_PRAY」というICE STORYの中で滑られるのは、最後。

 

今回は、「最後」という言葉が何度もよぎって、惜別の気持ちで見ていた。

「Megalovania」も「破滅への使者」も。

 

それにしても、6分間練習の緊迫感がすごかった。

横浜1日目以上だった。

 

ひょっとしたら、「破滅への使者」も今日で最後かもしれない。

二度と人前で滑られることは、ないかもしれない。

そして、パーフェクトへの最後のチャンス。

 

そう思うと、「破滅への使者」の見方は、完全に試合のときのそれだった。

1つ1つのジャンプがどこで来るかが分かっているので、ジャンプが来る度に祈るように、力を込めて見つめる。

 

今日は1つ1つの振付にも一段と力が入っていたように思う。

このプログラムの完成形を見せる、という気迫を感じた。

 

最後の2つのジャンプ、5連続ジャンプとトリプルアクセルは本当に緊張した。

それらが決まって、今日こそはパーフェクト。

ついに「破滅への使者」が完成した。

 

そして、後半へ。

 

「いつか終わる夢;RE」

大好きなプログラムだけど、このプログラムは「RE_PRAY」があってこそなので、今日で最後かもしれない。

もう二度と滑られることがないかもしれないと、しんみりした。

 

それは「天と地のレクイエム」も同じで。

たまアリ初日、このプログラムと思わぬ再会を果たした。

そして、このプログラムも生で見ることはもうかなわないかもしれない。

 

「あの夏へ」と「春よ、来い」。

このプログラムが終わると、「RE_PRAY」が終わってしまう。

 

おそらく、羽生君は「RE_PRAY」というICE STORYの中を生きていた。

その「RE_PRAY」が終わりの時を迎える。

本当に、寂しい気持ちがこみあげてきて、惜別の思いで最後の祈りをともに捧げた。

 

ついに「RE_PRAY」本編が終わった。

始まりがあれば、必ず終わりがあるという世のことわりをしみじみと感じた。

 

一瞬一瞬が過ぎ去っていく。

そうであるならば、明日からはもう少し、1つ1つの日常を大切にしたいなと思った。

 

こんな感じで、本編を見ているときは、しんみりとしてしまったのだけど、最後のアンコールを見て、羽生君のMCを聞いていると、なんだかふっきれたような気もした。

 

とにかく「RE_PRAY」は素晴らしかった。

キラキラのスケートを見せてもらって、温かい気持ちを受け取ることができた。

 

本当に、こんなに素晴らしいスケートを見せてもらえる、その思いを聞くことができるというのは、奇跡なのかもしれない。

 

羽生君は何度も色々な人たちに感謝の言葉を述べていたけど、今、羽生君にこそ感謝を伝えたい。

素晴らしいスケートを見せてくれて、本当にありがとうございます。

本編が終わって、エンディングが流れる。

このエンディング、何度見ても素晴らしいなと思いながら見ていた。

 

そしていよいよ、羽生君の登場。

今回は黒Tだったような気がした。

 

MCのあと、さっそくアンコールの「レミエン」。

 

歓声がすごくて、羽生君が近づいたエリアから次々と大きな歓声があがる。

大変な盛り上がりだった。

 

そして、平昌オリンピックで金メダルをとってからちょうど6年、2月17日という日に披露される「SEIMEI」。

会場のファンはおそらく、ほとんどの方が知っていたので、これまた、すごい盛り上がり。

感動しすぎて、細部の記憶がとんでしまった。

 

そして、いよいよ最後のプログラム「ロンカプ」のステップシークエンス。

ロンカプの衣装に身を包んだ羽生君を見るたびに、感激で震える。

1つ1つの動きを目に焼き付けようと、必死に見た。

 

フィニッシュとともに大歓声とスタオベ。

会場の熱気がすごかった。

 

そして、「私は最強」の曲がかかって、周回が始まる。

佐賀のとき、「無理はちょっとしてでも 花に水はあげたいわ」のところで、羽生君が即興の振付でくるくると踊っていた。

 

そのことを、おそらく会場の多くの方も知っていたので、今日もこの部分で即興がくると、みんな大喜び。

とても素敵だった。

 

そして最後の「ありがとうございました」を聞くことができて、名残惜しいながらも閉幕。

 

大歓声とキラキラに包まれた初日が終わった。

 

スタンドSS席前方から見た羽生君のスケートは、とにかく綺麗で、今もキラキラとした残像が目の奥に残っている。

 

そのスケートを見ながら、「こんなに綺麗な人がいるのか」「人間はこんなに綺麗なのか」という思いが何度も押し寄せてきた。

 

そして「RE_PRAY」はいよいよ、最終日を残すのみとなった。

「始まり」があれば、必ず「終わり」もある。

最高のアリーナツアーだったので終わってしまうのは寂しいけれど、「終わりは始まりの始まり」。

まずは最終日の成功を祈る。

「RE_PRAY」横浜1日目を現地で見た。

 

席はスタンドSS席ロング。

自分史上、1番リンクに近い席。

SS席の前の方だったので、アリーナのすぐ後ろという感じだった。

 

この席だとスケーティングがよく見えるし、近くで滑っているときは、かろうじて表情も見える。

その代わり、プロジェクションマッピングは、あまり見えない。

 

そういう場所から見た羽生君のスケートは、一言でいえば「綺麗」。

とにかく、色々な意味で綺麗だった。

 

まずはスケーティング。

たったワンストロークのスケーティングが、スーッとよくのびる。

 

そして、そのスケートに無駄な力がまったく入っていなくて、すごく洗練されていることがよく分かった。

1つの公演で12ものプログラムを滑りきる、その秘密の一端は、この洗練されたスケート技術にあるのではないかと思った。

 

1つ1つの所作や滑りが磨き上げられていて、無駄な力が入っていない。

それによって、余計な体力を使うことがないから、12ものプログラムを滑りきれるのではないかと。

 

単独公演というのは、羽生君の高いスケート技術をもってして、初めて可能になるのだと思った。

 

そして、とにかくスケートそのものが「綺麗」。

動きも、所作も、表情も、スタイルも、そして込められた心も。

 

ファンのみなさんが「発光している」というのが分かった気がする。

近くで見る羽生君のスケートは本当にキラキラとしていた。

 

ここからはプログラムごとの感想を。

 

「いつか終わる夢-original-」

最初のプログラムでは、自分史上最高の近さにとまどいすら感じた。

アリーナを知っている方からしたら、そんなに近くはないのだろうけど、今までは遠い席からしか見たことがなかったので、こんなに近くで見れるのだと、感動してしまった。

 

そして、ワンストロークの長さに驚いた。

目のまえをスーッと片足で滑っていく、そのなめらかさ。

このプログラムでは羽生君のスケーティングを堪能した。

 

「鶏と蛇と豚」

大好きなプログラムなので、食い入るように見る。

今回、印象に残ったのは、上半身の振付の繊細さ。

 

その動きは、とても洗練されていた。

スッスッ、ピタッピタッと決まる感じ。

本当に無駄な力が入っていなくて美しいなと思った。

 

「Hope&Legacy」

競技プログラムを生で見れるというのは、格別。

このプログラムには「命」への思いが込められているように感じた。

 

「Megalovania」

実は「RE_PRAY」の中で、このプログラムが一番、咀嚼できていない。

やるせなさ、怒り、悲しみといったものを(勝手に)感じてしまうプログラム。

おそらく、このプログラムに込められているのは、そんな表層的なものではなく、もっと深い思いなのだろうけど、ゲーム「Undertale」をやったことがないこともあって、まだまだ解釈できていない。

 

そして、6分間練習。

今日は、この6分間練習と「破滅への使者」から、ノーミス・パーフェクトへの気迫を(勝手に)感じた。

 

6分間練習の時点で、すごく練りこまれているような気がした。

まったく無駄な動きがなく、どうすればパーフェクトにジャンプを決められるかに照準を合わせているように思えた。

 

それゆえに、6分間という時間が一瞬のように感じた。

 

練習の時点でやはり4回転ジャンプが入る。

今日はきれいに、よく決まっていた。

これがまた、パーフェクトへの期待をいやがおうにも盛り上げる。

 

6分間練習では、スピードの緩急を感じた。

4回転ジャンプに入るときのスピードと迫力がすごかった。

考えてみれば、4回転ジャンプをこんなに見ることができるなんて、本当にすごいこと。

6分間練習と本番合わせて、かなりの数を見れたと思う。

 

そして、近くで見る羽生君の4回転ジャンプの美しいこと。

その高さ、回転、スピード。

とにかく大迫力だった。

 

そして、いよいよ始まる「破滅への使者」。

おそらく会場にいた多くの人たちが、パーフェクトへの意気込みと期待を感じていたのではないかと思う。

 

ジャンプが1本決まるごとに、大きな歓声と拍手。

今日は高難度ジャンプが次々と決まっていく。

 

終盤の5連続ジャンプが決まったときには、すごい歓声だった。

最後の3Aが少しステップアウトぎみだったのが惜しかった(このとき、羽生君が少し悔しがっていたように見えたのだけど、気のせいだろうか?)。

パーフェクトへの挑戦は最終日へ持ち越しになるのだろうか?

 

そして、フィニッシュ。

ほぼパーフェクトの演技を目の当たりにして、大歓声と拍手に包まれる。

会場の興奮で、拍手がなかなか鳴りやまなかった。

本当に素晴らしい演技で、いつまでも拍手していたいくらいだった。

こうして、濃密な前半が終わる。

 

ここから、後半。

 

「いつか終わる夢;RE」

近くから見たこのプログラムがまた、本当に美しかった。

と同時に、複雑な内面世界を持つプログラムだとも思った。

 

プログラムのなかで時折、羽生君が頭を左右に振る。

まるで、イヤイヤをするような、なにかを振り切るような動き。

 

この動きは3月11月の「notte stellata」で滑った「春よ、来い」でも見られた。

あまりに大きな悲しみに抗っているかのような。

何かを振り切ろうとしているかのような。

それとも、全く別の思いが込められているのかもしれない。

そんな動きだった。

 

そして、おそらく「RE_PRAY」のなかで分岐点となるような、大きな意味を持つプログラムなのだと思った。

それだけに、内面の葛藤や決意が表現されているのかなと。

 

「天と地のレクイエム」

このプログラムのときか、「いつか終わる夢;RE」のときか忘れてしまったのだけど、氷がキラキラと光っていることに気が付いた。

氷に光の粒がいくつも映っているような感じ。

 

最初はそういう演出なのかと思ったけど、実は、羽生君の衣装についているビジューにライトが当たってまばゆく光り、その輝きが氷に反射して光っているのだった。

 

おそらく、製氷したての滑らかな氷だからこそ、鏡のようになって、こんなにきれいに光っていたのだと思う。

羽生君のスケートとあいまって、えも言われぬ美しさだった。

 

そしてこのプログラムがまた、胸に迫る。

今日の滑りは、悲しみやとまどいを超越していたように感じた。

(近くから見たので、美しさに圧倒されただけかもしれないけど・・)

 

「あの夏へ」

自分にとって、リンクに近い席というのは、プログラム世界を感じるというよりは、ただただ羽生君のスケートに圧倒される席なのかもしれない。

目の前をスパイラルが通っていき、その美しさに見惚れてしまって、プログラム世界を深く感じるところまでいけなかったかも・・。

(「目の前」というのは、あくまで自分比なので、アリーナを知っている方からしたら大げさかもしれない)

 

「あの夏へ」が終わった後の映像がとても好きだ。

映像のなかで雨が降り注ぐ。

この雨が、わりと激しい雨。

感じたイメージは「慈雨」なのだけど、恵みの雨というのは激しめの雨というのが、羽生君が持つイメージなのかなと思った。

 

そして、いよいよ最後のプログラム、「春よ、来い」。

このプログラムに込められた心を感じ取ろうと、ひときわ集中して見た。

今日の滑りから感じたのは、全ての生命に対する愛情。

深く沈み込んで氷にひたすら近づくハイドロは、生命を生み出す大地への口づけのように感じた。

 

人間の本能の1つとして「愛情」というものがある。

そんなことを、この滑りから感じた。

 

そして、最後に祈りをささげて、「RE_PRAY」本編が終了した。

 

近くから見ると、羽生君は本当にキラキラとしていて綺麗だった。

 

遠くから見ても、近くからでも、羽生君のスケートは本当に素晴らしい。

そんなことを実感した「RE_PRAY」横浜初日だった。