6月25日に羽生君が輪島市へ行ったとの報があった。
このタイミングで輪島にというのは、全く予想していなかったので、驚いた。
でも考えてみたら、とてもありうること。
1月に地震があって、その時からずっと心を寄せていたのだと思い当たる。
1月に「RE_PRAY」佐賀、2月に横浜。
3月に「notte stellata」。
4月に「RE_PRAY」宮城。
5月・6月にファンタジーオンアイス。
そして6月下旬のこのタイミングで輪島。
スケートを全力で全うして、そして行けるタイミングのなかでも、とても早くに行ったのだなと思う。
「RE_PRAY」のMCでも能登への言及があったけど、言うだけではなく、行動に移す。
そんなところが、本当に羽生君だなと思う。
この予定は前々から決まっていただろうから、ファンタジーオンアイスで「Danny Boy」を滑っていたときにも、その心のうちに能登のことがあったのだろう。
もちろん、あのプログラムには様々な思いが込められているのだろうけど、その一角に能登があったのかなと。
今回の輪島訪問の報を聞いて思い浮かんだのは、「notte stellata」での「カルミナ・ブラーナ」。
運命を受け入れて生きていくという、あのプログラムの結末はこういうことなのかなと。
震災を経験した人が被災地を訪ねるというのは、簡単なことではないと思う。
自分なら、できれば避けたい行為だと。
それでも羽生君は、できる限りのタイミングで輪島に向かった。
これが、運命を受け入れることを選んだ人の決意と強さ。
ブレることなく、ずっとそうやって生きてきたし、これからも生きていくのだろう。
そういう人が魂を込めて滑るスケートは、本当に美しい。
そのスケートをこれからも応援していきたい。