埼玉初日を現地で見た。
事前に全く情報を入れなかったので、まっさらな状態で席に着いた。
席はSSロングの真ん中あたり。
近くも遠くもない距離感で、リンク全体が良く見える席だった。
初日は、どんなプログラムが来るのか、どういう構成なのかが全くわからないので、ドキドキしながら開演を待った。
記憶がすでにおぼろげだけど、初見の感想を書いてみたい。
(順番や内容があやふやなので、特に印象に残ったところをつらつらと)
最初、リンクに現れたときは、メインビジュアルの黒い衣装。
裾の丈が長い黒いコートのような上着。
競技やエキシでは、まず見られないような衣装。
映像の中でも終始着ていた衣装で、今回の役どころを象徴する衣装かな。
細身な羽生君のスタイルを引き立てる。
次に印象に残ったのは、ゴールドの衣装。
こちらも丈の長い上着をはおっている。
遠目には民族的な、クラシックな雰囲気に見えた。
この衣装もあいまって、このときのプログラムが原始の時代の踊り、根源的な踊りに見えた。
舞踏のルーツである「祈り」を感じるプログラムだった。
「Goliath」
まさか生で見れるとは思っていなかったので、嬉しい驚き。
プログラムの途中で飛び上がる動き、そして何よりも摩訶不思議(に見える)ハイドロが印象的。
映像で見ていたときもすごい動きだと思っていたけど、生で見ると、いったいどうなっているのかと驚かされる。
このプログラムは、今回の「Echoes of Life」の世界観とすごく合っているように感じた。
昨年つくられたプログラムで、「Echoes of Life」のためのプログラムではないにも関わらず、とてもしっくりくる。
羽生君がつくりだすものというのは、ひと続きでつながっているのだなと、改めて感じた。
ピアノ曲が連なるプログラム。
「バラ1」の衣装が生で見れて感激していた。
最初は曲が「バラ1」ではないので、この後に「バラ1」が来るのかと思って見ていた。
この衣装で数曲、ピアノ曲を滑る。
羽生君はずっと氷上にいて、舞台袖にはけない。
この時点で、「RE_PRAY」とは全く構成が違うことに気付いた。
プログラムの間に映像が規則的にはさまれる、というのが今までの「ICE STORY」の構成だった。
だけど、このピアノ曲のとき、羽生君はずっと氷上にいる。
曲間はあるものの、ほとんど、とぎれることなく滑り続ける。
完成しているかに思えた「RE_PRAY」までの構成を、ガラッと変えてきている。
たゆまぬ挑戦。
これもまた、羽生君の真骨頂だ。
そして、ピアノ曲がつらなるプログラムが、変化を見せる。
ナレーションが続いているなか、照明はブルー。
その中での羽生君の動きが、試合前のアップのものになった。
今までの「ICE STORY」では、明るい照明のもと、6分間練習のような雰囲気でやっていたが、今回はクリアな照明のもとではない。
試合前にやっていたルーチンの動きが入って、会場の緊張が高まる。
そこで高らかに響いた曲が「バラード第1番」。
大好きなプログラムを生で見ることができて、感激だった。
いつか、単独公演でフルで滑ってくれるかな、と密かに期待していたことが早くも実現した。
緊張感が高まる中、最初の4回転がきれいに決まる。
そして、次はトリプルアクセル。
試合仕様の入りからのトリプルアクセルが見れて、感激。
そして最後にもってきたのが4回転からの連続ジャンプ。
これは惜しくも転倒。
そしてあっという間にフィニッシュ。
大きな拍手がいつまでも鳴り響いていた。
前半には他にも新プロがあった。
動きの速いダンサブルなプログラム。
最初は会場の皆さん、声を上げることを遠慮していたけど、徐々に盛り上がった。
このプログラムは、盛り上がっても大丈夫なのかもしれない。
ここまでが、おぼろげながら前半の感想。
そして、後半。
前半のゴールドの衣装と似たシルエットのブルーの衣装。
言葉に合わせて舞い、滑る。
こちらも衣装と相まって、民族的な雰囲気。
言葉を風のようにつむいでいく。
続く映像の後、あの曲が耳に飛び込んでくる。
「Danny Boy」
まさか、「ICE STORY」で見ることができるとは思っていなかった。
長いプログラムだし、消耗の激しいプログラムだと思うので。
個人的に、生で見たいプログラム・ナンバー1だったので、感動に打ち震えた。
一瞬たりとも目を離したくないと、一生懸命に見る。
あっという間のできごとだった。
終わった後も、感動の余韻が残った。
そして最後の滑り。
たくさんのドアをくぐり抜けて滑り、本編が終わった。
めくるめく終わった初見。
次に何が起こるか全く分からないなかで、緊張感をもって見入った、濃密な時間だった。
そして本編の後のお楽しみ。
ハッピーバースデータイムになったときに、周りの方も一斉にバナーを掲げたので、あわててバナーをふる。
会場が一体となって、ハッピーバースデーを歌う。
「ハッピーバースデー・結弦」の歌詞に感激。
まさか、ご本人を前にこの曲を歌うことがあるなんて、思ってもみなかった。
埼玉スーパーアリーナの大きな箱。
その箱を埋め尽くす、羽生君のファン。
いつ見ても壮観。
壮大な景色。
この中で滑る羽生君の雄姿を、今日も目に焼き付けることができた。
「レミ」の後に、またまたサプライズ。
「阿修羅ちゃん」の曲が始まったときには、会場がゆれた。
ファンに愛されているプログラム。
そして、畳みかけるように、本日最後のプログラムは「SEIMEI」。
このプログラムは、羽生君にとって本当に大切なプログラムなのだなと、感慨深かった。
そして、定番の「私は最強」。
「無理はちょっとしてでも花に水はあげたいわ」のところで盛り上がる。
リンクを颯爽と滑る羽生君の雄姿。
そして、最後の言葉。
「生まれてきてよかった」
「スケートをしててよかった」
この言葉が聞けて、イチファンとして、本当に嬉しかった。
こうして、埼玉初日が幕となった。
今日、羽生君のスケートを見ていて思ったこと。
羽生君は、自分のスケートを見る人に、渡したいものがあるのだなと思った。
人の心にしみ入るように伝わる表現というのは、そういうものかもしれない。
見る人に、手渡したいものがある。
だから表現する。
伝える。
それが表現の根源かもしれないと思った。
今日も素晴らしいスケートを見せてもらえたことに感謝して。