レーザー・ビームを逃れたキシリアのズワメルと二隻の重巡、三
隻の巡洋艦は、真一文字にジオン本国の空域へと突進していた。
隻の巡洋艦は、真一文字にジオン本国の空域へと突進していた。
最大戦速をもって最短距離を行けば二時間とかからない。そして
それを追尾する形で第二戦闘距離をとってペガサスと二隻のサラ
ミス艦が追従する。
共にア・バオア・クーにレーザーが直撃したのを観察した後、キ
シリアはズワメルを最大戦速にあげさせた。
「間違いなくSブロックを狙ったと思われます」
キシリアの傍に茫然と立ち尽くす将校たちは、次にキシリアがど
う出るのか、この怒りは、よほどのものであろうと怯えるのであ
った。
「…貴下らの命を…私に預けさせてくれまいか…これは命令では
ない。私の頼みだ…。私に同調してくれないものはこの艦を出て
構わぬ。
重巡の一隻もくれてやろう。連邦軍に投降するもいいし、事が終
わったらジオンに戻るもいい。少なくとも、これからの事に邪魔
をしてくれぬだけでも私は感謝する」
「?……」
ブリッジにい合わせた将兵は息を呑んでキリシアの次の言葉を待
った。
「シャア中佐は私に同調してくれた。後は貴下らの決断のみであ
る。私は…この戦力をもってギレンを討つ…」
この時、このキシリアに疑義をはさめる者がいるだろうか?キシ
リアがいなければ自分たちは助からなかったのだ。あのソーラ・
レイの輝きの中に消えていったはずなのである。
その上、数こそ少ないもののジオン軍最強のシャア中佐麾下の独
立300戦隊が先導をするというのである。
「閣下の…閣下のご意思に我々は従います。造反するものは一人
たりともおりますまい」
フォサイス大佐がブリッジの将兵を代表してキシリアの前に進み
出た。
「ン…。しかもあの木馬麾下の二隻の艦は援軍と理解するもいい
」
「援軍?彼らが我々に従うというのでありますか?」
「そうだ」
「なぜです?」
フォサイス大佐の不安気な言葉がキシリアの耳を打った。
「!…ニュータイプは超能力者ではない。一般の人間に敷衍(ふ
えん)される革新であると私は信じている。となれば、あの木馬
ニュータイプたちが一人ならずいるはずだろう?」
「我々と同じ仲間と考えてよろしいのでしょうか?」
「ふ、私は仲間という慣れあいの言葉は嫌うな。一時の同盟者と
理解する…総員、現在の配置のまま相互に休息をとれ!ジオン入
国に際して抵抗があると想像される。ジオンの第三戦闘ライン上
に至ると同時に戦闘体系をとる」
真に決起であった。
キシリアの凛(りん)とした声がブリッジをつきぬけた。