壊れたテレビ、コンポ、パソコン、電化製品、何でも無料で引き
取ります──。
取ります──。
そんな声が、拡声器を通して住宅街に流れる
小型トラックで行商する、「無料回収業者」である。
電化製品の廃品を廃棄するには、市や区に回収料金を払わなけれ
ばならない。
それを思えば便利な業者には違いないのだが、不思議なのは、廃
品の無料回収が商売として成立することだ。
最近では「無料で引き取ります」から「買い取ります」に変わっ
てきているので、ますます不思議である。
実は、壊れたテレビやコンポを買い上げる元締めが、ちゃんとい
るのだ。
その元締めは、回収した電化製品を、東南アジア一帯に販売ルー
トを持つ中国やベトナムの業者に、輸出する仕組みになっている
という。
いったん廃品となった電化製品にも、使える部分が残っているも
の。
それらを互いに“移植手術”すれば、けっこう使えるテレビやコ
ンポが仕上がるわけだ。
その工程を念頭に置いて、みずから電気製品修理の技術を身につ
ける回収業者も、増えてきているという。