アニメは、手描きの絵による労働集約的な作業で制作されるから
膨大な人件費によって成り立っている。現在のように手軽にCG
が使える時代ではなかった。したがって、製作費を切り詰めるか
どこかで別途に収入を得ないとペイしない。そこで、二次著作権
という方法が、利用されるようになった。マーチャンダイズ権(
商標化権)、いわゆるキャラクター使用料に基づく権利である。
アメリカでは、ウォルトディズニーが、戦前早くからミッキーマ
ウスなどのキャラクター権を確立していたが、日本では本格的に
は『鉄腕アトム』が最初といえよう。
膨大な人件費によって成り立っている。現在のように手軽にCG
が使える時代ではなかった。したがって、製作費を切り詰めるか
どこかで別途に収入を得ないとペイしない。そこで、二次著作権
という方法が、利用されるようになった。マーチャンダイズ権(
商標化権)、いわゆるキャラクター使用料に基づく権利である。
アメリカでは、ウォルトディズニーが、戦前早くからミッキーマ
ウスなどのキャラクター権を確立していたが、日本では本格的に
は『鉄腕アトム』が最初といえよう。
手塚治虫は、求道者のようなストイックな一面を持っていたから
晩年には、そのことをもって、日本のアニメをダメにしたと、自
省の弁を述べているが、これは当たらない。アトムのケースでは
たまたま良い作品があって、それに対する商品化の引き合いが殺
到したということであるから、手塚が商業主義に走ったせいでは
ない。
しかし、その後のアニメ界のトレンドは、商標化を目的とした企
画が先行する方向へ動き始める。たしかに膨大な製作費を賄うた
めには仕方のない手段だが、だんだん本末が転倒してくる。ヤマ
トの会議には、おもちゃメーカーの社員が、同席したこともある。
つまり、はじめからおもちゃを売ることが目的化してきたのだ。
西崎は商売人だから、金儲け優先で、そうしたトレンドに、いち
早く乗ったのである。
これなぁ、おもちゃメーカーとタイアップしてたなぁ。野村トー
イっていうあまり世の中に知られてないプラモデルのメーカーで
購入したはいいが、サイズが合わず接着剤でうまく組み立てるこ
とが出来なかった。高かろう、悪かろうの見本みたいなもの。
おそらく西崎が一番高い商標化権を支払ったメーカーにつくらせ
たんだろうなぁ、と小学生低学年の俺の目から見ても想像がつい
たものだった。
閑話休題(それはさておき)
ぼくとしては、わざと、おもちゃになりにくい設定として、プラ
アブル生物、プライアブル兵器という案を出してみたのだ。プラ
イアブル生物は、当時はやっていたシリコン製のスライムのよう
なものだから、おもちゃのキャラクターにはなりにくい。
というわけで、今回の大仇は、水の惑星アクエリアスとすること
に決めたものの、やはりプライアブル生物というアイデアまでは
通らなかった。これが『宇宙戦艦ヤマト・完結編』のSF設定と
なった。さすがに、『完結編』と謳ったからには、事実上の最後
の作品となったのだが、西崎はまだ未練があったようである。そ
の後も、数年をおかずに、何度も電話をかけてきて、ヤマトを続
けられないだろうか、といった希望を述べてきたが、ぼくが色よ
い返事をしなかったためか、しばらくはヤマトが再登場すること
もなかった。
とうとう、ぼくは、こう言い放ったのを覚えている。
「このまま、あなたと付き合っていくと、ぼくは乞食になる!」