▼「前田日明が語るUWF全史」レビュー・1 | ぐーすけとりきのブログ

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この本も、前田ファン泣かせの単行本である。

帯に「オレは『1984年のUWF』に正式に反論します」
とあり(正式も不正式もないのだが)、「証言UWF」で語
られたことをさらに掘り下げようと語っている。

しかし、これまで語られてきたことに、もうヒト掘り、フタ
掘りとザックザック出てくるはずもなく、前田の「何十年た
ってもブレない発言」が繰り返されるだけだった。

表紙の前田の写真、ご覧になっただろうか。無精ひげを生や
し、にっこり笑った初老の男性。ノーネクタイで実にいい笑
い方をしている。

「ブラック・レイン」の大阪ヤクザ・若山富三郎みたいだ。

同編者(塩沢幸登)の手がけた「格闘者前田日明の時代」の
表紙写真に、前田が中学か高校のころの写真が採用されてい
るが、これにくらべても、「前田、老けたなあ」と思う。

取り立てて詳述するまでもないが、この本は、「1984年
のUWF」を引用して、その重箱の隅をつつくような揚げ足
を取る形で進んでいる。

その他の、レスラー・関係者の言動も、その都度、インタビ
ュー(この本のための)を行ったわけでもなく、週間プロレ
ス、週刊ゴング、格闘技通信、ゴング格闘技など、いわゆる
関係本の記事で済ませている。

当時の新鮮な記事が、「ああ、こうだったのね」とジグソー
パズルをはめるがごとくハッキリしてきたこともあるが、
当時としてはタブーであったことに言及できないので隔靴掻痒
の面は否めない。

「たとえば、「1984年のUWF」の著者、柳澤健は、同書
のなかで、新生UWF時代の前田日明の体型について「練習
不足は誰の目にも明らか。胸も腹も腿もゆるみ」と書いている。

しかし、ユニバーサル時代の佐山の体型の酷さは前田以上だ
った。この頃の佐山の身体はトランクスの上に贅肉があふれ、
腹はビア樽のようになり、胸が垂れてしまっていて、身体を
作ってないのがはっきりとわかった。

前田の体型を批判するのであれば、佐山の肥満体も批判しなく
てはならない。」

しかし、前田は、練習不足の体のツケを払うのに、トドみたい
な体重を活かして、ノシノシと相手を圧迫して、技術もなにも
なく、美味しいところだけもっていってしまい、体型に加えて
ワークの面でも嫉妬されるものであったのに対し、佐山は動け
たのである。

脇腹がブニュッとなっているにも関わらず、相手の頭部への
ハイキック、もっと背の高い相手に対しては軸足を一本のロ
ープにおいてのハイキックと、華麗なプレイが出来たのである。

話は元に戻る。

旧UWFでは、誰がマッチメークをしていたか。佐山は言う。

「マッチメークは、藤原さんと僕かな。僕は前田を上げたかっ
たんですよ。でも藤原さんに言われていたのは、“前田はまだ
早いから、俺たちが引っ張るしかない”と。」

第一次リーグ戦で、木戸が優勝したのも、藤原が佐山の腕を
脱臼させた試合も(これはワークの範囲内なのだが)、みな
藤原と佐山がメークしていたのだ。

ならば、聞いてみたいとがある。大阪臨海スポーツセンター
の佐山vs前田のマッチメークは、誰がしたのか?

この試合は、ご存知のとおり、前田が佐山のプロレスを受けず
「(UWFなんて)辞めてやる、辞めてやる」と佐山を追い詰
め、佐山が急所打ちをアピールして、前田の反則負けとなった
問題試合である。

前田が勝つか、佐山が勝つか、今となっては判断のしようもない
が、藤原がマッチメークをしていたとするならば、予定調和の
結末が待っていたのだと思う、それを壊したのが前田、という
べきか。

また、新日復帰時の対アンドレ戦、(前田の膝蹴りにアンドレ
が戦意喪失し、ノーマッチになった試合)、で、なんで前田が
アンドレからブック破りを仕掛けられたのか、前田の対処はど
うか、について猪木にこう声をかけられたという。

「このあと、猪木さんがいきなり控え室にやってきて「ありが
とう、お前、よくやったなあ」っていうんですよ。

「あれで正解なんだよ。前田がやったことは正しいんだ」って
いわれた。それで、遠くの方にいた坂口さんは[コノヤロー、
チェッ]みたいな顔をして、あの仕掛けというのは、多分、坂
口さんあたりが、オレがちっともいうことを聞かないから、
何とかしてくれないかってアンドレに頼んだんじゃないかと
思うんですよ。

坂口さんというのは、クソ真面目な人なんですよ。真面目に考
すぎてね、組織の中で上下関係をを考えて、なんでこんな下っ端
の若造が上の言うことに逆らうんだ、というような」

前田と坂口の因縁は、ブルーザー・ブロディの新日離脱によって
急遽組まれた札幌中島体育センターの試合において爆発する。

坂口征二と前田日明のシングル戦である。

前田の猛烈なキック攻撃で坂口の鼓膜が敗れる。怒った坂口
が暴走、前田の反則勝ちとなる。

この時「坂口は前田の攻撃を受けないなぁ」って印象があった。

アキレス腱固めもかかったまんま、立ち上がったり。。。

鼓膜が破れていたとは知らなかった。被害から考えると、対藤浪
戦にも匹敵するような試合だった。

 

以下、次項に続く