“黒いカモシカ”と呼ばれたジェシー・オーエンス(米)は、
1936年のベルリン五輪で100メートル、200メートル
400メートルリレー、走り幅跳びの4種目に優勝した。
だが、その時代は手動のストップウォッチが用いられてため、
スプリント競技におけるオーエンスの記録は100分の1秒
までは計られていなかった。
オーエンスの速さはぶっちぎりだったから順位の判定に問題
はなかったが、数人の選手がダンゴ状態でゴールした場合は
ストップウオッチでは順位の判定ができない。
その問題を完全に克服したのが、0・01秒の差を正確に測定
するコンピュータシステムである。
いっぽう、時代が進むとともに、スタートの合図にもハイテク
システムが用いられるようになった。
スプリント競技の中でも、200メートル走と400メートル
走はコーナーに沿ってスタート地点がずれている。
よって、スタートの合図がとどく微妙な差が、走者間にもたら
されることになる。
その「音速時間差」をなくすために開発されたのが、メインピ
ストルとコース内のあちこちに置かれたサブピストルを電気信号
によって連結させるシステムである。
このシステムのおかげで、メインピストルに近い走者も遠い走者
の、スタートの合図に同時に反応できるようになったわけだ。