大相撲の行司は、立派な装束をまとっているわりには、立場は
強くない。
その判定に疑問が生ずれば、勝敗の行方は土俵下の審判団の協議
とビデオ判定に委ねられる。
判定への最終権限を認められているプロ野球の審判とはえらい
違いである。
そこで気になるのは「差し違い」をした行司のペナルティーだ。
立行司(大相撲における行司の最高位)は「差し違い」をする
ごとに理事長に進退伺を出す。
これがひとつの儀式に過ぎないことは、相撲ファンなら誰でも
知っているが、やはりそれなりのペナルティーはあるのだ。
行司も、力士と同様に実績を積み上げることによって昇進する
のだが、それについては、さまざまな評価項目がある。
そのなかで、最も明確な減点の対象となるのは、やはり「差し
違い」だ。
幕下格の行司は年間9回、十両以上の行司は年間6回の「差し
違い」をするとランクが一つ下がる。
その後の一年間の成績が良ければ元の地位に戻れるということだ
が、その徹底した実績主義に、行司の地位が絶対ではないことが
如実に物語られているといえる。