◆「1984年のUWF」柳澤健のレビュー5~藤原組→パンクラス | ぐーすけとりきのブログ

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前田の一言によってUWFは空中分解してしまった。

解散である。

船木誠勝と鈴木みのるを向かい入れた藤原喜明は、メ
ガネスーパーの田中八郎社長のバックアップを得て
藤原組を設立した。

藤原組をひとことで言えば、カール・ゴッチに回帰する
団体であった。

道場でしっかりと練習を積んでコンディションを整え、
古き良き時代のレスリングと正統派の関節技を披露す
る。

しかし、船木誠勝と鈴木みのるという若きスター候補
生を擁しながらも、藤原組が大きな人気を得ることは
ついになかった。

藤原組はガチとプロレスの混在だった。

あのロベルト・デュラン戦も、船木以外のレスラー
はガチだと思っていたが、結果の決まった試合だった。

でも、だんだんお客が入らなくなって、やっぱりプロ
レスをやろうということになった。

藤原は間違ってない。

当然の判断だったといえるだろう。

しかし、ガチがやりたい船木と鈴木は不満を感じで
藤原組を辞めた。

1993年9月21日、日本の格闘技界に衝撃的な事件
が起こった。

藤原組を辞めた船木誠勝と鈴木みのるが新団体パンクラ
スを設立。

東京ベイNKホールで行われた旗揚げ戦は、すべてリア
ルファイトだった。

全5試合の合計試合時間はわずか13分5秒。

「秒殺」はパンクラスの代名詞となった。

ぐーすけも、これ生で見たけど、とにかく試合の終わる
のが速い。

新生UWFでは、関節技が決まると、それを脱しようと
ロープに逃げるというパターンがあったけれども、そも
そも関節技がかかると、そこで終わり、逃げることはで
きないのだ。

プライドなんかを見てきた人たちには

「なんだ、そんなこともわかんないのか」

と言われそうだが、当時は衝撃的な興行だった。

バス・ルッテンが試合後にルッテン・ジャンプをしていた
ことを昨日のように思い出す。

また、プロレスのように受身を考えなくて良いので、
クッションとなる脂肪をとぎさって、端正なハイブリッド
ボディを所属選手全員がしていたことも衝撃的だった。

しかし、パンクラス興行も全てうまくいくかというと
そういうわけにもいかなかった。

大きい会場を満員にできない。

1ヶ月に1回の試合では、けが人が続出した。

山田学、高橋義生、近藤有己、冨宅飛駈・美濃和育久
などキラメキの星のような人材が集まってきたが、
ネームバリューの大きい選手が、船木と鈴木だけしか
いないのでは、満員御礼というのは難しかった。

話は先もどるが、独りぼっちになった前田日明はWOW
WOWと提携し「リングス」という格闘技興行会社を
つくっていた。

しかし、リングスは全ガチではなかった。

ミックスだったのだ。

そして、前田の試合は結果が決められていたという。

大手のスポンサーも付き、知名度も右肩上り。

これに対して

「全ガチをやっている自分たちが何故報われないのか」

とパンクラスの選手が思っても無理はない。

ついに、鈴木みのるが一線を超えた。

リングスの放送を考えていたフジテレビのプロデューサー
に鈴木は

「あれは、結果が決まっている試合がほとんどだ」

と耳打ちしたのである。

これを人づてに聞いた前田は激怒。

「あいつらはパンクラスじゃなくてボンクラスだ。
この団体は俺が潰す!」

と…。

これをうけたパンクラス側は、高橋義生が名乗りを
あげた。

「僕はこの団体がなくなると飯を食っていけないので、
受けて立ちます。前田を殺します」

と宣言。

前田は「高橋くんの売名行為に応じるつもりはない。
それより、鈴木出て来い」

と照準を鈴木にセット。

第三者のリングで対前田戦を画策したパンクラス側だが、
結局前田は応じず、一方的に「これからパンクラスとは
絶縁する」といい、話は終わった。

時は流れて…。

東京ドームで「コロシアム2000」開催。

船木誠勝はヒクソン・グレーシーに破れ引退を表明し
た。

その後、10年以上経ってから格闘技に復帰。

プライドで桜庭和志、田村潔司、ミノワマンらと対戦、
桜庭と田村には破れ、そのあとプロレスに転向した
のはみなさん知っているとおりだ。

おもしろいのが、鈴木みのるや高橋義生らは、歳は同じ
だが、入門は遅かったため船木誠勝のことを「船木さん」
と呼んでいたのだが、プロレスに復帰して目の上のコブ
がとれたのか、呪縛がとれたのか「船木」と呼ぶように
なったのは微笑ましい限りだ。

その船木も前田と和解。

鈴木も「解散時は幼すぎた」と前田に謝り
ツーショットにおさまるなど、UWF解散から27年
たって、友好関係が構築されていくのを見て、ファン
としては嬉しい限りだ。

あとは安生、あんたの番だ。