「罪と罰」「白痴」「カラマーゾフの兄弟」などの
名作を残し、19世紀ロシア文学を代表する文豪
ともいわれる、ドストエフスキー。
彼は、処女作「貧しき人々」が当時のロシア文壇を
牽引していたベリンスキーから絶賛され、華々しく
作家デビューを果たす。
しかし、その後の作品の評価は悪く、やがて社会主義
思想者の集まりである「ベトラシェフスキーサークル」
の一員となる。
そのために、思想主義を取り締まる政府によって弾圧
を受け、彼を含む20人の会員が逮捕、死刑を宣告
されたのだ。
ところが銃殺刑の直前に処刑中止となり、九死に一生
を得る。
これは皇帝の慈悲を見せびらかすために仕組まれた
パフォーマンスだったのだ。
この茶番劇をドストエフスキーは「これ以上ひどい
苦しみなこの世にないでしょう」と、後に作中で
語っている。
死刑を免れたドストエフスキーは、流刑地・シベ
リアでの4年間の服役生活を「死の家の記録」に
著し、文壇に復帰する。
また代表作のひとつ「白痴」では、死刑直前の囚人
の気持ちを語り、死刑制度廃止を力説する。
ドストエフスキーにこのような波乱万丈の生涯を
知ることで、作品への理解もより深まるのでは?