アメリカの警察官の勤務状況は8時間勤務の三交代制で、
退任しても九〇歳まで生きる人が多い。
ところが日本の警察官は、ひどいところは三日に一回の
徹夜勤務に加え、さらに「非番勤務」と称して徹夜労働
が入る。
当直非番勤務(やきんあけばん)の連続勤務という世界
でも類を見ないほどの肉体的精神的負担を強いられる。
その結果、「警察官を六〇歳で卒業したとしても、
この世にいれらるのはあと数年…」
これはジョークでも何でもない。
現実だ。
交通整理で車の排気ガスを毎日吸い込んで肺がんに
なるものも多い。
その一方で、激務の末に胃潰瘍になったり、脳卒中、
糖尿病などの成人病にかかるものは数知れない。
健康診断は年一回春に行われるが、こうした検査で
血糖値や尿酸値が高いと指摘を受けたり、ウツ病
にかかっていることが発覚する警察官は圧倒的
な数にのぼる。
また、受傷事故といって、交通違反の取り締まり中に
暴走車にはねられて重傷を負うものも少なくない。
ちょっと前のことになるが、人気アイドルグループの
Iたらいう男が、女性警察官が静止しているのを無視
して、車を発進させ、女性警察官のヒザを割った
事件があった。
このときはマスメディアがこぞってまるでIメンバー
の運が悪かったかのごとく報道していたが、
とんでもないことだ。
これは、殺人未遂にも匹敵する行為で、その後
なんのお咎めもなく不起訴になったことに大変
情けない思いをした。
Iメンバーはグループの中でも比較的性格のいいほう
だと思っていたが、いまではIがテレビに映ると即座に
チャンネルを変えてしまう警察官が圧倒的に増えたのだ。
健康問題を抱えていたり事故に遭う警察官がこれほど
多いにもかかわらず、都民共済保険には
「警察官である」
というだけで加入を認められず、仕事中に脳卒中で倒れ
ても、けがをしても、労災が下りることなどめったに
ない。
まず、普通のサラリーマンと比べると、厚生面では
雲泥の差があるといわざるを得ない惨状である。
心に大きな悩みを抱え、自殺する警察官も少なくない。
警察官の自殺は年間十人程度だが、そのうち三件から五件
は拳銃による自殺だ。
自殺の原因のひとつは激務のための睡眠不足や夜勤
の連続で脳の視床下部に光が届かず、うつ傾向に
なりやすいから。
日本警察の非人道的な勤務状況は少しでも早く改善
すべきことだ。
拳銃自殺では、職場で机の引き出しを開け、その上
に頭を垂れるようにして拳銃で頭を撃ち抜いたもの
やトイレで心臓を撃ち抜いたものもいる。
不思議と後片付けが楽なような死に方が多く、血を
洗い流しやすい駐車場で頭を撃ち抜いたものもいる。
このあたりの心遣いが大変悲しい。
本当に悲しい。
親しかった者が二人もこうやって命を絶ったのだ。
銃を使わずに自殺したものの中には、車でわざと
中央分離帯やトンネルの壁に激突し、後から
遺書が発見されたということもあった。
中には自宅で首を吊るものもいるが、こうした
ときには、「病死」扱いや「事故死」とされる
ことが多く、実際の自殺件数はさらに多いはずだ。
何とかしてくれか、警察庁のキャリアさんたち。
勤務シフトの体系を変えてくれよ。