明治6年3月、師範学校編「小学読本」(文部省刊)が
発行された。その中に次のような文章がある。
「群児相集(あいつど)ひ、毬(まり)を投げて遊び
居れり。彼らの棒を持てる子は、投げたる毬を
受けとめるを以て楽しみとするなり。
良き遊びなれど、暑き日は早くこれをやめよ。
激しい熱さに触れるときは身を害(そこなう)うを
以てなり」
これは何を説明したものかお分かりだろうか。
「小学読本」はアメリカの「ウィルソン・リーダー」
をほとんどそのまま翻訳したもので、右の文章は
「小学読本」の巻一にのっている。
毬を投げ、それを棒で受け止めるとあるが、その
毬を棒で打つと書き変えれば、それがなんのことか
よくわかるだろう。
この文章は野球について説明したもので、子供が
球と棒を持って遊んでいる絵がついている。
ちなみに、これが日本における野球を紹介した
文献の第1号といわれている。