いまでは一塁をファースト、二塁をセカンドと、
ポジション名はそのまま英語で使われる。
しかし、野球が輸入されたばかりの明治初期は、
ファーストは「第一塁将」、センターは「場中」、
キャッチャーが「受球者」といった。
二塁と三塁のあいだを守るショートは「遊撃手」だが
明治初期は「短遮」といった。
これは「ショートストップ(レフト方向の当たりを短く
止めるという意味)」を直訳したものである。
その「短遮」を「遊撃」と言い換えたのは、
旧制一高OBの中馬庚(ちゅうまかのえ)。
「玉遊び」や「打球おにごっこ」などという
名前で呼ばれていたベースボールを
「野球」と名付けた人だが、その彼が
「ショートストップは、戦列で時期を見て待機し
動き回ってあちこちをかためる「遊軍」のようだ」
と説明したことから「遊撃」という言葉が生まれた。