信仰の対象として、宗教団体に寄付をしたが
本尊たる「板まんだら」が偽物であったことがわかったので、
要素の錯誤として寄付の返還を求めた事件である。
・最判昭和56年4月7日事件
元創価学会の会員である原告が、正本堂建立資金のため
の寄付金につき、正本堂に安置する本尊たる「板まんだら」が
偽物であり、寄付行為に要素の錯誤があったとして
返還を求めた事件で、最高裁は、「本件訴訟は、具体的な権利義務
ないし法律関係に関する紛争を形式をとっており、その結果信仰の
対象の価値、または宗教上の教義に関する判断は
請求の当否を決するについての前提問題であるにとどまるものと
されてはいるが、本件訴訟の帰すうを左右する必要不可欠のものと
認められ、また、記録に現れた本件訴訟の経過に徴すると
本件訴訟の争点及び当事者の主張立証も右の判断に関する
ものがその核心となっていると認められることからすれば、
結局本件訴訟は、その実質において法令の適用による
終局的な解決の不可能なものであって、裁判所法3条
にいう法律上の争訟にあたらないものといわなければ
ならない。」とした。
▼純然たる信仰の価値または宗教上の教義に関する
判断自体を求める訴えは、法律上の争訟にあたるか。
▽否定(法令の適用による終局的解決が困難)