マンネリにマンネリを重ねて水戸黄門は終わってしまったが
致し方ないことだろう。
印籠を出すところと由美かおるの入浴シーンを入れとけば
視聴率が取れるだろうという浅はかな考えだ。
水戸黄門にも、マンネリでない時期があった。
それは1部・2部だ。
さすがに再放送しか見たことがないが。
始まったばかりでいろいろと暗中模索しているように見えた。
東野英治郎さんの髭も付け髭ではなく自毛だった。
時代考証もしっかりしており、
長崎を訪れた時には、
「ここで島原の乱がおきたのじゃな。
ワシは当時10歳、大変なことになったと思ったものじゃ」
とかセリフセリフに重みを感じたものだ。
必ずしも、印籠を出さずに終わった回もあった。
また3部以降、家老が悪役で
大名(殿様)は善人役が定着していくことになるが
1部2部では大名も悪役の時もあった。
水戸黄門が若い頃幼馴染の悪友と一人の女性に惚れ込んで
結局その悪友の大名が的を射止めるのであるが
その大名の女遊びが災いして、
お家改易となった回もあった。
印籠を見せるときに、光圀が
「久しぶりじゃな、○○殿。
ワシじゃ。水戸の隠居じゃよ」
と大名との邂逅を喜ぶセリフがあるが
300諸侯の大名がいるなか
光圀は全員の名前を覚えていたのだろうか
また「○○殿」というのは本当に
その藩を治めていた大名の名前なのか
そこまで時代考証をしていたのなら
シャッポをぬぐ。
東野英治郎さんの水戸黄門は、小柄なおじいさんながら
どことなく気品が漂う、まさにうって付けの役だった。
2代目の西村晃は、ちょっと女性気味でなよっとしたかんじで
好きになれなかった
3代目の佐野某に至っては見る気も失せていた。
その次が、もうひとつのマンネリではない水戸黄門である
4代目石坂浩二の登場だ。
時代考証がしっかりしていた。
印籠を出さない回もあった。
たぶん石坂浩二も、あの人のことだから
考証にも加わったのではないか。
ただ助さん格さんが普通の人になり
無敵の女忍者が悪人をやっつけるという無理な設定を
導入し、そこだけは違和感がアリアリだった。
そして石坂浩二はヒゲをはやしていなかった。
水戸黄門ファンには受け入れにくかったのだろう。
「白いヒゲをはやしていない水戸黄門は、水戸黄門じゃない」
ということで、短期放送に終わった。
最後は里見浩太朗の5代目水戸黄門である。
里見は、義理堅い人で
東野英治郎がなくなったときに
「もう、ご隠居と呼んでも、返事は帰ってきませんね。」
「私も助さんをやめてから、しばらくになります。
いずれは、ご隠居の後を務めさせて頂こうと精進します」
と約束をしていた。
しかし、里見黄門で印象に残っているのは
「助さん、格さん、すこし懲らしめてやりなさい」と
「助さん、格さん、もうよかろ」
くらいなもので
マンネリから抜けきることができずに
終わった。
今、時代劇をやっているのはNHKくらいのものか。
時代劇が生き延びるにはつらい環境かもしれない。