まずこれを読んでの一番の感想は
検察の取調べがひどい。
存在するはずの無い証拠を次々と出してくる。
周りはみんな自白している。
嘘をついているのは、村木さん、アンタだけだ
考えてみれば
課長名の文書を課長が偽造するなんて
ありえないということは誰でもわかる話だ。
自分が決裁権者だから、自分で決済文書にサインすれば
正式な文書が出来る。
どうして偽造なんかする必要があるのか。
そういっても5年も前の話であり
「ここはこうだったんじゃないの?」とか
「この日に〇〇さんと合ったんじゃないの」
とか、毎日毎日、何十回も何百回も言われていると
「あ~そうだったのかなあ~」と言う気持ちになり
「そうだったのかもしれませんね」
というと検事の思い通り
「村木はこうして罪を犯した、という調書をつくられる。
村木さんは、納得がいかない調書には絶対サインしない
と心に誓っていた。
とはいえ調書作りでは、むこうはプロ。
こちらは、まったくの素人だ。
今日はじめてグラブをつけた素人が
レフリーもセコンドもいない状態でリングに上げられて
プロボクサーと戦わされるようなもの。
ぐーすけも、微罪で警察の取調べを受けたことがあるが
警察官は点数を上げればそれでよいので
「かばんの中みせてよ~」
「捜索差し押さえ令状みせてください」
といえば話は通じたが
検察は法律のプロ、落としのプロなので
逮捕後72時間以内で検察官送致
あと10日の勾留、延長してもう10日の勾留
ぐーすけは刑事訴訟法をかじっているので
たちうちできるかな~ともおもっていたが
どっこい、こんな取調べを受けたら
よっぽど好条件がそろってないと
検察のストーリーに乗せられるんじゃないかと思った。
取調べ外でも、厳しいルールがたくさんある。
決められた時間以外は、座っていることが求められ
勝手に寝転んだりできない。
布団をたたんでおく場所や、机を置く方向なども
決められている。
入浴は週2回(夏場は3回)、服を脱ぎ始めてから
入浴して服を着終わるまでの時間はきっちり15分内と決まっている。
また拘置所の房の中には時計がない。
わかるのは食事の時間と消灯の午後9時だけ。
とくに夜がつらい
眠れずに居ても、今が12時なのか3時なのかわからない。
(大阪なんで)伊丹空港から一番機がとぶと
「ああ、やっと起きられるな」と。
その後の裁判の経緯は次のようなものである。
・4度めの申請で保釈が決定。164日間の勾留が終わる。
・村木さんの部下の上村氏が、偽造は単独犯行であり
調書は創作されたものであると証言
・証拠整理で、供述調書43通のうち34通の不採用を決定。
・無罪判決
・捜査の主任検事だった前田恒彦に押収証拠改竄の疑いが
あることが新聞報道される。
・最高検察庁が前田を逮捕
・最高検が、当事の特捜部長・大坪弘道、副部長・佐賀元明を
犯人隠避容疑で逮捕
・最高検が前田を起訴、前田は懲戒免職となる。
・大坪と佐賀を起訴、懲戒免職に。
・検事総長・大林宏が謝罪会見
・検事総長・大林、次長検事・伊藤鉄男が引責辞任
異例の措置である。
そして村木さんが2013年7月2日
厚生労働事務次官に就任、となる。
後日談として
村木さんが職場復帰してまもなく友人が集まる会合があった。
検事をやっているH氏がわざわざ私の隣の席に座って
「申し訳ない」と頭をさげました。
息子も検事になったのだが、今回の事件を見て
検事を辞めると言い出したんだと話してくれました。
「どうか、息子さんに検事を辞めないでと伝えてください。
検察からいい人がどんどんやめてしまうようになったら
国民が困るんだから」と話しました。
村木さんは立派な出来た人だなあ、と思った。