面白かったけれど、妙なモヤモヤがいまだに残っているので、そのなかの2つほどをババ垂れておきたい。
①なんでモノラル
ベルウッドさんが少し前に感想を日記に書かれており、とても興味深く拝読した。
何でも、音声はいまどき珍しくモノラルらしい。観たら確かにモノラルだった。
でも、なんで??
すみません、ベルウッドさんの日記をパクらせていただくと
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音楽家で、映画『モテキ』で日本アカデミー賞優秀音楽賞を授賞した岩崎太整さんが、この映画についてこんなことを言っています。
>モノラルっつーのは本来音に集中させるのに最も適しているんです。
>モノラルを単なる拘りだとか、懐古主義的な意味合いで考えて
>グッときているようなのはその本質を全く捉えてない証拠。
>モノラルは音が悪い訳でも、弱いわけでもありませんよ。
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加えて、「『風立ちぬ』を観る前に知っておきたい5つのポイント」という特設サイトでは
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鈴木敏夫プロデューサーによると、ジブリの映画はモノラル録音でつくった『風の谷のナウシカ』以降、本物の音にこだわるあまり音響技術がエスカレートしてきたが、『風立ちぬ』では原点に立ち返りモノラル録音に。
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なんて説明があるけれど、個人にはどちらもしっくり来てなくて・・・。
まず、岩崎氏のコメント。
説明になっていない。なんでモノラルだと最も集中できるのか。科学的裏づけでなく個人の推測でもいい。最低でもそこまで言及しないと。
このままだと、極論したら、あなたの家のラジカセやコンポは全てモノラルなんですよね?ということになる。
というか、その「モテキ」も普通に5.1chらしいのだけれど・・・。
次に、鈴木プロデューサーの「原点」という表現。
仮に、ジブリの設立がつい最近で、かつ、マンモス企業からの潤沢な資金供与を受けていたら、処女作は間違いなく普通に5.1chとかだったはずだ。
つまり、ナウシカがモノラルだったのは、音響設備の進化・普及やコスト的な面といったやむをえない要素が少なからずあったはずで、純粋に好きでモノラルにしたわけではないと思う。
それを今になって「原点」という表現で肯定するのには、ちょっと違和感を覚える。
で、自分なりに邪推してみると
・単純に安く仕上げたかった。
・納期やべぇ
・ただでさえ5感のエネルギー(情報量)は映像に大半を割かれるので、こういう場合は音声はシンプルなほうが疲れないかなと考えた試み。
・ジブリの重鎮たちが、年を取ってきて音響とかどうでもいい境地に達した。本当は映像もハイビジョンでなくNTSC画質のほうが眼も疲れなくていいのだけれど、それは周りに反対された(これはちょっと邪推しすぎ)。
もしかしたら3項目めは岩崎氏が言わんとしていたことなのかも知れないが・・・。
ただ、一緒に観た友人は、あまり端の席に座ると酔ってしまうとのことで、それが音声によるものであるならば、全ての席に等しいレベルでサービスを提供するという意味でモノラルは有効かもしれない。
だが一方で、その友人は夢と現実が行ったり来たりして分かりづらいとも言っていた。
現実は普通に5.1ch、あいまいな夢の中だけモノラルにするとかの小手先な使い分けとかも案外有効だったのでは。
個人的には、やっぱり5.1などの多チャンネルにして欲しかった。
②主役の声優に庵野監督を起用
周りが普通にアニメに適した喋り方だったのに、なんで主役だけ棒読みなのだろう。
棒読みが嫌と言うよりも(嫌だけれど)、周りとのギャップがきつかった。
もう、最初から最後まで違和感感じまくりでムズムズムズ・・・。
「耳をすませば」のお父さんもこれに近かったが、個人的な破壊力は今回のほうがずっと上。
活舌がいいとのことだったが、プロに比べたらそれもやっぱりイマイチ。
延びに延びて昨年11月にようやく公開された新エヴァンゲリオンの3作め(エヴァQ)が、ちょっと微妙な出来だったのだけれど(そのくせ、副収入を見越してか新キャラや新メカはやたら多い)、エヴァQの製作時期が声優バイトと重なっていた、なんてことはない・・・よね・・・?
ふー、垂れるだけ垂れたらスッキリしたわい。
マイナスなことばっかり書いてもアレなので。
「人間の創作活動が出来る時期は10年だ」みたいな台詞。
いやいや監督、御年70くらいですよね?とか心の中でツッコミ入れたが、経済面や体力・精神面等でピークなのがせいぜいそのくらい、だからお仕事でも趣味でも一寸の光陰軽んずべからず、と曲解した。
この台詞がこの作品で一番好きだった。
あと、金属塊であるはずの蒸気機関車が、急ブレーキをかける時だったかな?車体が僅かにゼリーみたくプルルンとする演出。
あからさまに使うとただの機関車トーマスだけれど、さりげなく使うことで動きが分かりやすく伝わりすごく好きだった。ジブリだから許される手法??
監督、長年おつかれさまでした。
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