コンサートやライブは、去年か一昨年くらいから、遠方のでかいホールとかより、知り合いがやっている近場の小規模のものにお邪魔することが多くなった。
その中でも多いのが、オーディオ仲間のチュー太郎さんが自宅敷地内に建ててしまった横浜の「イシイホール」、歩いて行けるくらいご近所の喫茶店「珈房」、これまた何とか歩いて行ける距離にあるピアニスト楠山裕子氏の「くすやまホール」の3つである。
今回の週末も、3/3(土)は珈房、3/4(日)はくすやまホールと立て続けにあった。
どちらもかなり楽しかったので、今まで日記で扱ったことが無かったこともあり簡単に書き留めておきたい。
■3/3(土) 珈房・ジャズライブ
今回は以下のお三方によるトリオ。
ピアノ:遠藤征志
https://ameblo.jp/seijiendo9/
ドラム:中屋啓之
https://ameblo.jp/impressionforthepeople/
ベース:長谷川泰弘
http://moonglow.jp/?page_id=822

珈房のマスターは、ライブの案内をしてくれる際にほぼ毎回「今度の〇〇さんはすごいですよ!」と熱く語ってくれ、目玉のおやじの「鬼太郎、今度の敵はかなりの強敵じゃぞ!」というお約束セリフを連想するわけだが、今回は本当にすごかった。
いや、まぁ、実際に毎回すごいのだろうけれど、素人の自分でもわかるという点でね。
ドラムとピアノは、珈房ライブに何度かお邪魔した中ではトップクラスに凄くて、共通して言えるのはどんなに演奏が激しくなってもリズミカルさと流れるような滑らかさが失われず、聴いていてちっともうるささを感じない。
ソロに入っても、普通ならもうお腹いっぱいです元の演奏に戻ってくださいと感じるような長さでも全く飽きることが無く、いつまでも聴き入ってしまう。
加えて、ドラム中屋氏のしゃべりが独特で、なんとなく戦場カメラマンの渡部陽一氏を彷彿させるものだから、観客席から常に笑いが絶えない。ずるい(笑)。

強いて言えば、喫茶店内という物理スペース的にも、トーク的にも、ベースの長谷川氏が常に一歩引いたのが少し残念。
演奏でもトークでも、もう少しこの人にもスポットを浴びせてもよかったのではと思った。経験的には一番の大先輩のはずなので、当日には分からなかった魅力をもっと隠し持っているはずと思うと、ちょっと惜しい。
3人でステージに立つことはよくあるもののCDはまだ出していないとのことで、何とかその機会に恵まれないかと切に思う。
店内は毎回満員で、巨体の自分には窮屈さも無くはないわけだが、ご一緒するはずだったご近所のオーディオ仲間コニさんが諸事情によりいらっしゃらなかったので、今回はコニさんのスペースも使って偉そうにふんぞり返って鑑賞できた。コニさんには申し訳ないが無茶苦茶快適だった(笑)。
■3/4(日)くすやまホール ブラームスはお好き?(最終回)

3回に分けて企画された、ブラームスを中心とした「ドイツ3大B」のミニコンサート。
1,2回目はお仕事で行けなかったが、ようやく行けた(って、今回も午前は休日出勤だったが・・・)。
ピアノ・チェンバロ:楠山裕子
http://www.kusuyamahall.com/
ヴァイオリン:安部慶子
http://www.hmv.co.jp/artist_%E5%AE%89%E9%83%A8%E6%85%B6%E5%AD%90_000000000266710/biography/
ドイツについてのお話:大谷弘道
今回、恥ずかしながらチェンバロを恐らく初めて生で聴いた。
最初に仕組みや歴史を分かりやすく説明いただき、実際の演奏。CDを通して持っていたイメージそのままの綺麗な音色に聴き惚れた。
弦にフェルトを押し付けて響きを殺すミュート機能も備わっているとのことで、その比較も聴かせていただいたが、確かに響きは減るものの音の出た瞬間の音量は殆ど変わっていない。ミュートと言っても、現代日本の住宅事情を考慮したそれとは違い、表現の選択肢の一つということなのだろうか。
安部氏のヴァイオリンは、最初に音が出た瞬間に今まであまり感じたことが無い軽さを感じ、頭の中で「おおー」とか唸ってしまった。何というか、音そのものが軽いのではなく、硬さも質量もしっかり持った音が蛇口全開でストレスなくドバッと出てくる感じ?
楠山氏も安部氏も大ベテランで、ヴァイオリンのベテランってよく考えたらあまり聴いたことが無く、この軽さがベテランのなせる技かー!などと一人で納得していたのだが、途中から「若い頃とは違い筋力が衰えてきて・・・」なんて話が出てきて、ならこの軽さは何なのかと、楽器を嗜まない自分にはそこで頭がブルースクリーンになった。音楽ってむずかしい・・・。
今回のメインディッシュは、ブラームスの「ヴァイオリンとピアノのためのソナタ 第3番」だったのだが、これがかなり難易度の高い曲らしく、大ベテランのお二方が、過去にもこのお二方で同じ曲をやったことがあるにもかかわらず、この日のために約100時間も練習しなおしたらしい!
その苦労の成果を、アットホームな雰囲気のなか僅か30人くらいの少人数で聴けるのだから、なんて贅沢なのだろう。
安部氏による演奏の前の簡単な曲の説明で、上述にある筋力の衰えや長時間練習などの苦労話を、臆面なく話してくださった。
別のタイミングのトークでは、どんなに練習しても成果を発揮できるのは7割くらいだねー、なんて話も飛び出した。ゲームにおける、稼ぎパターンがバリバリに決まった理論値と現実点のようなものか。
ただ、そのいずれも、愚痴や言い訳というマイナスイメージは一切なく、聞いている側はすんなり受け入れることができた。
プロである以上、どんなにつらくてもお客の前では笑顔と余裕さを絶やさず最高の品質を提供するいうのはもっともだが、プロだって人間だからいろいろある。だから、少なくともこうしたアットホームな場所では、そうした裏面も多少滲ませてもいいのではないか・・・。
一方で、若い頃に見えなかった部分が見えてきて、当時師事していた先生の心境が理解できるようになってきたことや、つらい練習でも続けられたこの曲に対する思い入れなどもしっかり盛り込んでくれ、こうしたトークこそベテランでないとできないなーと、やや的外れな感心をしつつ聞き入った。
当然、そうした印象深いトークに続く演奏は素晴らしく聴こえないはずがなく、大谷弘道氏のドイツ人と日本人の感性の違いについてのお話も大変面白く、全体を通して大満足だった。
帰りは、LC-1Aでコーヒーいただいてまったりしたり、ハードオフにパソコン清掃ブラシを探しに行ったはずが何故かアイソレーショントランスを買ったりして帰宅。
我が家のオーディオで電源を要する機器は6つしかないのに、アイソレーショントランスは12個になっていた・・・。
頭おかしいだろ自分、本当にどうするんだよこれ。

楽しい二日間だった。
明日からのお仕事が憂鬱だが、この満足感を糧にがんばります・・・。
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