ゲーム訪問記(物の怪さま)(後編) | くさもんのブログ

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うわさのブログというものをちょっとさわってみました。

日々のことを徒然なるままに。

「物の怪」さんの趣味部屋訪問記。
これが最後。

最終回の今回も、断片的な紹介を続ける。


■パソコン(PC)

前編でも少し触れたが、物の怪さんはPCにもめっぽうお強い。
Windows10や11といった現役のPCはもちろん、PCが一般に広まる前、もう少し具体的に書くと1995年3月にWindows95が出てPCが急速に広まるより前のPCにもかなり造詣が深い。

昔のPCと言っても、NECのPC-98シリーズ、富士通のFM Townsなどいろいろあるが、今回は「MSX」や「X68000」が目立ち、あちこちに何台も置いてあった。
修理中のも含めると、少なく見ても両方で10台はあったんじゃないかな・・・。




そして、モニタは今となっては貴重なソニーのトリニトロン管!もちろん15kHz対応だ。
このうち、MSXだけ少し動かしてくださり、よく分からないコマンドを打って「ドレミファソラシド」とか音を出してみたり、グラディウス2(末尾は「ツー」ではなく「に」と読む)のテストプレイを披露してくださった。
ちなみに、この「ぐらに」、写真では分からないが、MSX定番の8ドットずつのカクカクスクロールではなく、滑らかなスクロールに改造した版である。





話が前後するが、これがMSXの本体(これはPanasonic製)。キーボードと一体化している。
これを膝の上に置いて、キーボードでグラ2を器用に操作してくださったww




ほかにも、マニアックな周辺機器や、とんでもない量のゲームソフト(特にMSX用)もあったが、写真に撮り損ねた。


■アーケードゲーム基板

最後は、何と言ってもアーケードゲーム基板。これもとんでもない枚数があった。
枚数自体も凄いが、そのうちの結構な枚数が、前編でも少し触れた「もー」さんお手製の木箱に収められている。
もーさんのマメさに拍手。

アーケードゲーム基板を遊ぶ環境は二つある。
ひとつは、中編でも触れた「ニューアストロシティ」、もう一つは、今は無きシグマ電子製ブラウン管モニタ(ブラウン管自体はナナオとか別の会社が作ったもので、シグマ電子がそれを使いやすいようケースに収めた)と、同じくシグマ電子製のコントロールボックスという組み合わせだ。
シグマ環境は、縦画面のゲーム(モニタやテレビを90度横倒しにする必要があるゲーム)のときに使用する
(ゲームを交換するたびに、いちいち横倒しにしたり元に戻したりしたら面倒だからね)。




起動した基板の中で印象強かったのは「グラディウスIV」。
以下の画面のおかしな点にお気づきだろうか。




自機(自分が操作する飛行機)がいない。正確に言うと、オレンジの液体金属の太陽に埋もれている。
そう、自機が無敵になるようプログラム改造してしまったのだ。

物の怪さんはこのグラIV基板のメンテナンスや改造にもめっぽうお強く、ここでは書けないようなヤバいネタも幾つか教えていただいた。
実は、自分の部屋にも借り物含めるとグラIV基板が3枚(枚と言うか、箱)あるんだよね・・・。
機会があったら、そのうち診てやってください。




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とまぁ、断片的ながら物の怪さんの趣味部屋はこんな感じ。
機材の多さと物の怪さんの造詣の深さに終始圧倒されっぱなしだったが、それ以外で印象的だったのが二つ。

ひとつめは、物の怪さんのスタイルとして、実機をこよなく愛すること。
古いゲームやPCを楽しむには、まず実機が挙げられるが、現実的に入手が難しく、メンテナンスの知識も必要。そのため、エミュレーター(合法・非合法問わず)や、「復刻本体」などもある。
復刻本体というのはここで便宜的に付けた名前だが、例えばここ数年で少しブームになった「ファミコンミニ」や「X68000z」などの、かつての家庭用ゲーム機やPCを模したソフト内蔵本体のことね。




しかし、物の怪さんはこれらを否定はしないが個人的には良しとせず、ひたすら実機を使い続ける。
ファミコンミニなどの家庭用ゲーム機の復刻本体は購入したこともあるそうだが、X68000zなどのPCの復刻本体は、それこそまったく興味が湧かないそうだ。

特に自分が地味に驚いたのが、モニタもすべてブラウン管であるということ。
応答速度や信号の相性等で、古いゲームやPCをやるときにはブラウン管が一番適しているのは分かるが、もう生産されていな貴重なブラウン管の寿命を削ることに、セコい自分なら躊躇してしまう。絶対に液晶モニタで代用するはずだ
(現に、寝室にブラウン管が5台あるが(うち1台は故障)、もう何年も動かしていない・・・)。
それを、物の怪さんは貴重なトリニトロン管だろうが躊躇なく使う。

自分は、極論してしまえば中身のプログラムだけ保たれていればよい。
だから、合法・非合法の問題を抜きにすれば、実機以上に高画質・高音質・良好な操作性で遊べるエミュレーターなんかもウェルカムだ。

どちらがいいか悪いかの問題ではない。
物の怪さんは環境も含めて尊重し、楽しまれている。自分が町中華や大衆食堂が好きなのに似ているとも思った。料理の味を楽しむのはもちろん、ボロい店内の雰囲気も楽しむ、みたいな。


ふたつめは、ファミコンが楽しかったこと。
ゲーム好きを自称している自分ではあるが、実際のところ、もうレバーは何年もまともに握っていない。加えて、ここ数年の体調不良(熟睡できず、頭に常にもやがかかったようなクラクラした状態)で、元々大したことなかったゲームの腕前は、もはや目も当てられない。
先々月、数年ぶりに西尾市の「天野ゲーム博物館」に行ったが、あまりの腕前の低下に落胆すら感じなかった。





そうした状態で遊んだ初見のファミコンソフトたちは、「ハイスコアを狙う」とか「初回で何面まで到達する」みたいな腕前を意識したプレイではなく、純粋にキャーキャー騒ぎながらのプレイだった
(喩えね、喩え。実際にキャーキャー騒いだらキモイわ)。

言うなれば遊園地のアトラクションのような感覚で、これがものすごく新鮮な楽しさだった。
腐った腕前を鍛え直したいという思いは今でもあるが、一方でこういう楽しみかたもある。70代80代になって反射神経も衰えてきたら、皆自ずとこういう楽しみ方になるのだろうか。腕前が衰えていくのは寂しいが、これはこれでアリかなと思った。


ほんの数時間お邪魔した趣味部屋だったが、本当に目の保養になるし考えさせられることも多かったりで、充実した時間だった。
よろしければ、また是非お邪魔したい。あと、死ぬまでには1度くらいご実家の筐体倉庫とかもお邪魔してみたいなぁ。



物の怪さん、今回はありがとうございました。
これからもよろしくお願いいたします!