くさまです。

 

2泊3日で、海上自衛隊佐世保基地、熊本市に行ってきました。今回も震災対策の推進がテーマです。

 

佐世保では、ヘリコプター搭載護衛艦のいせで、今野群司令、飯ケ谷艦長らと、自治体との災害対策連携についてかなり深い意見交換ができました。

 

いせ甲板で、今野第2護衛隊群司令(左)、飯ケ谷いせ艦長

 

震災対策についてブリーフィングも頂きました。

 

いせ艦内の手術室

 

いせ艦内の病室

 

隔離病室も完備。

 

甲板上で2500名収容可能。

 

洋上救護だけでなく、ヘリの基地にもなります。

 

横浜市会ではIR(カジノを含む統合型リゾート)の議論真っ最中ですが、山下ふ頭から横浜駅、神奈川区沿岸地域までの都心臨海部は、特にみなとみらい地区が顕著なように建築ラッシュで、わが国最大級のハーバーリゾートが産まれようとしています。

 

しかしこの都心臨海部を囲っているのが、木造住宅密集地を抱える地域で、震災時、都心臨海部に抱える市民、観光客、外国人、従業員の皆さんをどう守るか

 

僕も多くの時間、関内の横浜市会にいますし、これから新市庁舎になっても都心臨海部のど真ん中なので、都筑区選出議員といえども全く他人ごとではありません。

 

電車などの公共交通機関が麻痺し、道路も電柱倒壊などで寸断されている、また、都会の特有課題でもあるヘリポート(広い敷地)の不足。

 

こういった事態で孤立する都心臨海部を守るには海からの支援しかないと、海上自衛隊との連携を昨年から強力に推し進めています

 

約10年前の2009年には、ヘリコプター搭載護衛艦ひゅうがが大桟橋に寄港し、ひゅうが甲板を使って、横浜消防、海保、県警ヘリの離発着訓練が行われました。

 

僕はこの時議員ではありませんでしたが、まさに問題意識はこうしたものです。

 

ですが、この訓練でも当たり前になっている、全く想定外になっていないことがあります。

 

それは、ヘリコプター搭載護衛艦が既にしっかり大桟橋に寄港しながら訓練をしているということで

 

ポイントは、既に世界有数の混雑海域である東京湾において、震災発生後、大型護衛艦は被災救援活動ができるのかということです。

 

2011年の東日本大震災では、東京湾にも津波が到達していて、東京湾内の各港から船舶が湾央に一斉に避難するなどしたため、一時的に400隻以上の船舶(通常は100隻程度)により混雑する状態となり、衝突などのリスクが高まりました。  

 

あれから9年が経とうとしていますが、客船・貨物船に代表される船舶の大型化やLNG船、プレジャーボートの多様化など、東京湾の複雑性、混雑性はより増しています。

 

課題であった災害時の東京湾管制は、国交省(海上保安庁)が一元化する運用が始まっています

 

国交省(海保)と、海上自衛隊、自治体の連携を、常日頃から、より一層とっていかなければなりません。

 

その点、既に横浜市の危機管理室には海保からも職員を出向いただいていますので、これに海自と港湾局を加えれば、想定や訓練などかなり備えができると確信しています。

 

西日本豪雨被災地や熊本地震被災地、北海道地震被災地でも大活躍だった海上自衛隊の護衛艦ですが、東京湾内の横須賀基地で慣れていても、発災後の混雑さはかなりしびれるところがありますし、また、津波で海上に陸からあらゆるものが漂流しだすと、そもそも船を動かせないということもあるそうです。

 

特にソナーを付けている護衛艦は、大型の漂流物に対応できません。

 

漂流物おかまいなしで進めるのは、海自では掃海艇や呉に配備されている輸送艦など限られ。一方、米軍では強襲揚陸艦など、米軍は船舶の種類も多く、かなり動けるようです。

 

輸送艦のいる呉、大型揚陸艦がいる佐世保から東京湾内までは2日かかるということで、それまでの海上からの支援は横須賀にいる海自と米軍の船舶、また、海保の船舶で対応してもらわなければなりません。

 

東京湾上に報道も含め様々なヘリコプターがあふれかえる可能性が大いにあり、そのヘリ管制をどうするのか。

 

東京湾や相模湾沖のどこにヘリコプター基地となる護衛艦を配備して、その船がどこを主に担当するのか。

 

国を守る、安全保障対応が第一義の海上自衛隊の日常業務に、これだけの調整をしろというのがそもそも無理な話なので、僕らは、退役海上自衛官の活用を進めようとしています。

 

既に横浜市や多くの自治体では、陸上自衛隊の退役自衛官(将佐クラス)の皆さんが、危機管理担当として活躍をされています。

 

東京湾沿岸の自治体で、海上からの被災支援をどう受けるかという事細かな調整を、海に多くの知識やネットワークを持つ海自OBに担ってもらいたいと考えています。

 

ステークホルダーは、自衛隊や海保(国交省)、各自治体消防は勿論、米海軍、海兵隊、海上輸送企業、石油、ガスなどの沿岸インフラ企業、各種港湾団体、各自治体の港湾局、海運業者、客船事業者、病院など、めちゃくちゃ多岐にわたります。

 

これは横浜市だけでなく、首都である東京を守るためにも大変重要です。

 

今現在、横浜市役所含め、神奈川県庁、東京都庁、千葉県庁など、東京湾沿岸自治体の危機管理担当職員に海自OBはどうやらいないようです。

 

これら人材活用も含め、僕ら地方議員間のネットワークでまだまだやらなければならないことはたくさんあります。

 

少なくとも横浜市では、発災後速やかに海自の船が位置につき、ヘリコプターで1人でも多くの市民の命を救ってもらえるように、スピード感持って準備を進めていきます。