昨年来、議会で「水素・水素」と言いすぎて、完璧に「水素族」として公認されてるくさまです。


今日で横浜市会の予算研究会(各局からの会派ごとの予算案説明と質疑応答)が終わり、いよいよ来週から予算の本格審議が始まります。


先日のブログにも書きましたが、来年度の水素エネルギー関連予算が今年度40万円から30倍 の1200万円を超え、横浜でもやっと水素を中心とした本格的な再生エネルギーに対するエッジがかかってきました。


また、今日自民党本部で行われた「FCVを中心とした水素社会実現を促進する研究会 」では、トラックメーカーの日野自動車からの発表がありました。


日野自動車は2005年にトヨタと開発した「FCバス」を発表し、同じく2005年に愛知県で開催された「愛・地球博」で8台を運用し、その時既に100万人の方々が利用しました↓


「乗った!」という方、覚えている方もいらっしゃるかもしれません。


が、「愛・地球博」から10年経つ来年、やっと乗用車タイプの燃料電池車(FCV)は発売され、FCバスはその1年後、2016年にやっと日本では発売予定なのです。


既に羽田空港をはじめ↓、全国各地で実証実験や実証運用がされていますし、洞爺湖サミットでも使われましたが


電気自動車より走行距離と馬力があり、そのうえで走行時にCO2を全く排出しないFCバスは、2020年の東京オリンピックでは、環境立国日本として、1000万人の海外からのお客様に対して、多くのバスで使われていなければなりません。


前述したように、日本では2005年に日野がトヨタと共同開発していますが、ヨーロッパでは、既に2003年から、あのメルセデスベンツが各国で実証実験を行っています。



世界のリーダーが集まるダボス会議でもベンツのFCバスは使用されており、東京オリンピックに外国の要人たちが日本に来て、FCバスがあるだけでは、「うちは20年近く前から取り組んでるよ、世界のトヨタも日本も大したことないね」と思われてしまいます。


そこでポイントなのは、大量のFCバスに水素を充填できる水素供給ネットワークを日本独自で確立することと、FCバスのエネルギーの多目的利用を、2020年までにモデル化することです。


燃料電池バスから電力供給、トヨタが実証実験

2013/11/14 日本経済新聞


トヨタ自動車は14日、燃料電池バスから電力を家電製品に供給する実証実験を愛知県豊田市内で公開した。バスに搭載される大型の燃料電池では水素と酸素を反応させて電気を取り出すことができ、災害時の避難所への電力供給などを想定している。供給量は一般家庭で約40日分、学校体育館の照明で約5日分に相当する。トヨタによると、燃料電池バスを使った実証実験は世界初という。


燃料電池バスの走行用の電池から電気配線を通じ、照明やヒーター、テレビなどの家電へ順次給電した。バスの水素搭載量は約20キログラムで、燃料電池車に比べて4~5倍程度の電力供給が可能だ。通常は路線バス、災害時には非常電源としての活用が期待されている。


燃料電池バスは、トヨタと日野自動車が共同で、最大出力9.8キロワット、連続約50時間の供給能力を目標に開発している。発電効率の向上やコスト削減などの課題を抱える。2014年度にかけて実証実験を実施し、16年度の販売を目指す。


また、豊田自動織機やデンソーが、バスで発電した直流電力を、家電などで使用する交流電力に変換する外部給電装置を開発した。


実証実験に出席した豊田市の太田稔彦市長は「被災地で重要な役割を担うことになるだろう。豊田市にも重要な実験だ」と語った。<<


去年トヨタが行った実験のように、「東日本大震災もあったけれども、日本では災害時でも街のバスから十分電力供給できるよ!」といったことを東京オリンピックでは世界にアピールできますし、


何よりこの技術は、僕らの地域生活にとって大変重要なものです。


FCバス1台で避難所5日間の電力を賄えますし、病院も1日どうにかなるようです


横浜市交通局は800台近いバスを保有していますから、1割でもFCバスにできれば市内のメインの病院はFCバスの活用だけで少なくとも1週間の電力はどうにかなりますし、各区役所の電源も賄えます。


そして何より、走っているバスがCO2を全く出さない街って素晴らしいですよね。それが夢じゃなくなってきています。


横浜市交通局は来年度予算にFCバス調査費として200万円計上しています。東京都に次ぐバスを保有する横浜市交通局の、未来の環境に対する本気度をしっかりチェックしていきたいと思います。