くさまです。


委員会視察で岩手・青森に行ってきまして、岩手県では、2年ぶりに宮古市を訪れました。


2年前の7月、大震災から4か月後の宮古に車を届けに行ってから 、2回目です。
都筑のくまのルーキー日記

車を流されてしまった方に、埼玉から預かった車をお届けしました。

都筑のくまのルーキー日記

都筑のくまのルーキー日記

(写真は2011年7月)


あれから2年が経ち、宮古の中心街は、少なくとも外観はだいぶ復興が進んだように見えました。


そして、2年が経った今、宮古市では、震災の記憶をより多くの人に学んでもらうために、


宮古市の観光協会が主導で、「学ぶ防災」を展開しています。



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同じ宮古市内の田老地区では、高さ10メートル、長さ1キロ以上で「万里の長城」と言われた防潮堤がありましたが、津波は防潮堤を乗り越え、181名の犠牲者が出てしまいました。


その田老地区の現状を、防潮堤に上って災禍の記録や後世への教訓を伝えることで防災意識を高めてもらうために、被害に合われた方々がガイドとして「学ぶ防災」を行っています。


私たちをガイドしていただいた女性は、お母様を津波で亡くされました。


「田老地区の人的被害は、“防潮堤があるから大丈夫”という、私達の認識の甘さの結果でした。」


100年に一度、100名を超す被害者を出す大津波の被害にあってきた田老地区。その歴史から、「万里の長城」と言われるくらいの巨大防潮堤を築いて街を守ってきましたが、「人は忘れるもの」とガイドさんは言いました。


実際、大震災の直前には避難訓練も行っていたそうです。


防潮堤はあくまでも被害を軽減するものであって、津波をすべて防げるものではない。


現に、万里の長城があったからこそ、津波の正面からの直撃は免れ、津波が引いた後は瓦礫が防潮堤内部に留まり、けが人を救出でき、御遺体を確保できました。


でも、亡くなった方の8割は、全く逃げなかった人だったということです。


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津波の最中に5階からビデオを撮っていた「たろう観光ホテル」の松本社長からもお話を聞くことができました。


ホテルの5階からは、10メートルの防潮堤の外である海、そして津波の来襲が見えるのですが、防潮堤の中に住んでいる人たちには、巨大な津波を目で確認することはできません。


最初連絡されたのは「3メートルの津波」。3メートルの津波なら、10メートルの防潮堤を乗り越える訳がない。そう思って逃げなかっただろう人たちの多くがなくなりました。


防潮堤はあくまでも被害を軽減するものであって、津波をすべて防げるものではない。


津波が来るまで40分ありました。5分もあれば、逃げれたんです。でも、逃げなかった。


防災に対する意識、逃げるという意識、街に伝わる「津波てんでんこ」の意識の差が、生死を別けました。


横浜市でも、「横浜市災害時における自助・共助推進条例」を議員立法しました。


前文では


『元禄型関東地震や首都直下の東京湾北部地震、南海トラフの大連動地震がひとたび発生すれば、ここ横浜でも甚大な被害が想定されることから、


行政による対策はもとより、私たち市民一人一人が災害に備え、まずは自らの命を守る「自助」の理念をより具体化するとともに、


都市化に伴う核家族化や少子高齢化が進展し、人と人との関係が希薄となっていることを踏まえ、近隣や地域において、市民が助け合い、かつ、支え合うことにより、災害から命を守る「共助」の理念をより具体化していく必要がある。』と、しています。


そして、10条では、わざわざ「自主避難」の条項を入れました。


(自主避難等)
第10条 市民は、災害時においては、自ら防災に関する情報の収集に努め、避難すべきと判断したときは、速やかに、自主的に避難するよう努めるとともに、避難勧告その他の避難のための措置の発令等があったときは、速やかに、これに応じて行動しなければならない。


ちょっと考えれば当たり前のことなんですが、この当たり前のことができずに、田老では多くの方が亡くなりました。


簡単そうで難しい、「防災・減災意識」を変えること。


僕ら議員が、そのためにできることを、精一杯やっていきたいと再度誓った視察でした。


<学ぶ防災> 


東日本大震災の影響で甚大な被害が出てしまった田老地区の現状を、防潮堤に上って災禍の記録や後世への教訓を伝えることでお客様に防災意識を高めていただくことを目的とします。


<所要時間>
ガイドの所要時間は30分から1時間。お客様ご希望の時間を調整しながら、防潮堤のみのご案内もしくは「たろう観光ホテル」に移動してDVD(マスコミ未公開ビデオ)上映後、屋上からのガイドを行います。

・30分から45分の場合防潮堤をご案内して質疑応答
・1時間の場合防潮堤をご案内した後、「たろう観光ホテル」

でのDVD上映後に質疑応答(たろう観光ホテル松本社長の都合がつけば、松本社長本人からDVDを見ながら説明をしてもらえます。)


<ガイド料金(復興支援協力金)>
ガイド1名に付き4,000円
お客様1名~40名までガイド1名を目安としております。


<集合場所>
田老漁協ビル付近(別紙参照)

・宮古観光協会ホームページの学ぶ防災ブログからPDF形式の地図を印刷することができます。
URL http://www.kankou385.jp/files/taroumap.pdf
・お車でお越しのお客様は、田老漁協ビル付近に集合。
・三鉄やバスで現地に入る個人のお客様の場合は田老駅で集合。