↑前の記事の続き(?)です。

Skating ScoresのSegment Total Queryの、「Mean PCS Mark(10点満点)」を見ます。この数字、

最高/最低点カットなしで、↑オレンジで囲った部分の平均値を出力しているようです。

PCSって、表記と言うか項目名が、ちょいちょい変わってるんですよね。今となってはログ追えないですが、採点ガイドラインもマイナーチェンジを繰り返してたんだと思います、たぶん。

●2004年
Skating Skills
Transitions
Performance/Execution
Choreography
Interpretation

●2007年
Skating Skills
Transitions/Linking Footwork/Movements
Performance/Execution
Choreography/Composition
Interpretation of the music

●2016年
Skating Skills
Transitions
Performance
Composition
Interpretation of the Music

●2022年
Composition
Presentation
Skating Skills

Choreographyの表記は、振付師のネームバリューで点数決まる疑惑でなくなった・・・とか聞きましたが。←出典なし、うろ覚え

私は、3項目化そのものについては「すっきりして良かった」派です。2007~2015年の表記、ゴチャゴチャしすぎでしょ。2016年以降も、項目間での重複がだいぶ多かった気がします。



さて。


今の採点方式でやった最初のワールドが2005年で、そっから2024ワールドまでの、「各試合(五輪・ワールド)のMean PCS Mark TOP5の平均値」で、グラフを作りました。



●男子SP/男子FS

2005~2009年、↑に載せた中でMean PCS Mark8点台が出たのは、トリノのプル様だけです。この時期、トップ選手でも基本7点台だったんですねぇ。

バンクーバーで一気に8点台が増え、2011ワールドFSで、↑に載せた中では初めてMean PCS Mark9点台が出ます。パトリックです。

そこからソチに向かって山ができて・・・2017ワールドSPでは、TOP5全員がMean PCS Mark9点台。ここは、StSqでも大きな山ができているところでした。※1つ前の記事参照

北京では、SPFSともにMean PCS Mark9点台が6人出ました。以降はいったん落ち着いてる感じでしょうか。

個人的に気になるのが・・・

SP<FS が、24試合中17試合ってことですね。

演技時間が短くジャンプも少ないSPのほうが、体力的に余裕があるから、COPRに振れる労力が大きいはず・・・StSq GOEは、SP>FSで出る試合が多いのに(※1つ前の記事参照)、なんでPCSは逆になるんでしょ?StSqの出来とPCSは関係ないってか??

まあ、なんて言うか・・・

SPとFSだと、FSのほうが、最終グループに入った時のPCSプラス補正を受けやすい気がしますね。PCS素点がSP<FSになるのは、多くの場合、演技内容を評価するシステムとして、COPRの数字がまともに機能してないことの証明じゃないか・・・って、私は思ってますが^q^

このブログで、よくPCS「インフレ」という言い方をしてしまいますが、起こってることがインフレなのか、実際中身が良くなってたのか、判断が難しいところです。

「今のトップ選手の演技を、トリノの頃のトップ選手(プルランビジェフジョニ)の演技と比べると、COPRSKにおいて、PCS素点にして1.5程度の向上が見られる」・・・ってことになります。

 

ちょっと、まあ、今年も見直しましょうか↓

 

 

 

 

●女子SP/女子FS


2005ワールドFSで、スルツカヤのMean PCS Markが8.20でしたが、以降しばらく8点台がなく、2009ワールドのキムヨナで久しぶりに8点台が出ます。2008年以前は、五輪・ワールドのTOP5に6点台が入ってくる状況でした。

↑に載せた中での9点台初登場は、2013ワールドFS、これもキムヨナです。最も山が高くなっている平昌では、SPFSともにMean PCS Mark9点台が4人出ています。

以降はグラフが下がり気味です。女子個人戦がああいうことになった北京は、大きな山はできず・・・ロシア勢不在になってからは、Mean PCS Mark9点台が0~1人という状況です。

24試合中22試合で、SP<FSでした。



●男子SP/女子SP

こ~~~んな昔から、男子>女子 だったんですねぇ。

一応参考までに・・・

StSqChSqになった2013年以降で、SP StSqのMean GOE Markが男子≦女子だったのは、2014ワールド・平昌・2018ワールドの3試合(※1つ前の記事参照)

↑のPCSグラフで、2014ワールド・平昌・2018ワールドを見ると、女子が男子に追いつきそうor追い越している ことが分かります。

「SP StSqのGOEとSP PCSは連動する」と私は思ってるんですが・・・はてさて。



●男子FS/女子FS

男子<女子になっているのは、

・スルツカヤが8点台だった2005ワールド(この年男子の8点台は0人)
・キムヨナが8点台だった2009ワールド(この年男子の8点台は0人)
・男子FSの後半グループが低調だったソチ
・女子で9点台が4人出た平昌

ですね。
 

 

 

次に、「StSqのGOEとPCSは連動する」のかどうか、もちっと細かく見てみましょう。2024ワールド男子SPの、各人のPCS(factored)と、StSq Mean GOE Markで、散布図を作ります。

PCSはfactoredです。この記事ではこれまで、男女差を分かりやすくするために素点を使ってましたが、こっから先はfactoredで良いでしょう。

・・・が、しかし。

2024ワールド男子SP、40人滑りました。Skating ScroesのQueryは、TOP35までしか出力できません。手集計はめんどくさすぎる('A`)

で、「PCS(factored)はTOP35に入ったけど、StSq Mean GOE Markは圏外」の選手が6人いたんです。この時点で、大して連動してない説が出てきてしまいますが・・・一応続行しましょう^q^

というわけで、「2024ワールド男子SPの、PCS(factored)で上位だった29人分の散布図」です↓


横軸 PCS(factored)
縦軸 StSq Mean GOE Mark

各軸の最小/最大値は、それぞれ29位/1位の選手の数字と近くなるようにしてます。ざーーーっくりで言うと、黄色の範囲に収まってる点が多いほど、「PCS(factored)とStSq Mean GOE Markは連動(比例?)してる」ってことになります。

黄色から外れてる点に選手名を書き足しましたが・・・何でこうなったのか、各々思い当たる理由がある感じ??



FSでも同じことをやってみました。当然ですが24人分です↓

意外なことに、SPとFSだと、FSのほうが真ん中に寄ってるようなそうでもないような??



ChSq Mean GOE Markでも同じことをやってみました↓

なにやら名前を書かれがちな選手がいますな。いろいろ察せると思います。
 

 

 

次に、2024ワールド女子でも同じことをやります。


女子はSPを滑ったのが35人だったので、全員分・・・の予定でしたが、StSq Mean GOE Markがマイナスになってしまった選手が1人おり、彼女は除かせていただきましたorz

帯状にキュっと固まってますね。右端のほうで外れてるの・・・名前、書きませんでしたが。えぇ、察してください。

 

 

 

女子FSは、Mean GOE Mark最高値3.44、StSq4も5人だけと、低調でした。縦軸の最高値≒1位の選手の数字 で作ると、こんな感じになってしまいます↓

偏差値で散布図を作れば良いのか・・・でも、パっと見の数字は分かりづらくなるよねぇ。



最後に女子のChSq↓

この散布図が一番バラけてますかね。

 

 

 

  後記

PCSとStSq/ChSq GOEの関係、分かったような分からんようなって感じですが・・・散布図作るのは面白かったですね。複数年分作って、点をどんどん重ねていくと、また違った傾向が見えてくるかもしれません。その時その時のプロとメンツで、バラけ方が変わるんだろうなって気もしますが。

今年、スケカナとGPヘルシンキでも同じことをやろうと思います。もちろんそうたくんの点が一番右上に来るのを期待して!!!!!

PCS公認PBが上の選手がやたら多いんだけど。ぜんぶ抜く的な心意気はほしいですね^q^