毒兄 78 | 嵐ちゃん大好き~妄想物語! くるとんのブログ

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基本、潤担ですがメンバーみんな大好き!
下手くそながらお話作っとります(o^-^o)
潤くん絡みのお話達…

翔潤
末ズ
じいまご
モデルズ

お暇なら是非覗いてみてね


「潤くん、今日の気分はどう?」

今日の気分は…特に変わらない
少しモヤモヤしてるのは何でだろう



「今日はね、おじさんのことを…」
「知らないよ。おじいちゃんがどこかへ連れて行ったから本当にわからない」

「そうじゃなくて。潤くんはおじさんに会いたいのかなって。急に会えなくなったならなおさら」
「…。」

「潤くん、一人で抱えこまなくて大丈夫。僕は潤くんの気持ちを聞きたいだけ」
「誰にも言わないんだよね?」


「もちろん」



おじさん
お兄ちゃんを傷つけた悪い人
そして僕に代わりになるかと脅してくる悪い人
大嫌い

大嫌い…でいたかった




おじさんに呼ばれていつも通りに会いにいくと、昼間からお酒の匂いをプンプンさせて酔っぱらっていた
近くに寄りたくなかったけど


「潤、こっちこい」


呼ばれれば仕方ない
僕はその言葉に従っておじさんの隣に座る
すぐに…始まるのかな
さりげなく着ていたシャツのボタンを外した


「まだいい。そんな急がせるな。それとも早くしたいのか?エ ロいぞ」
「違うよ!僕はさっさと終わらせて帰りたいだけ」

「冷たい奴。お前もみんなと一緒だな。出来の悪い俺なんか相手にしたくねぇって思ってるんだろ」
「そんなこと…」


「俺と兄貴は違うからな。兄貴は立派な男だからお前も自慢の父親だろ」



いつもと様子が違っていた
笑いながら話しているのに何だか寂しそうで
でも、瞳の奥に怒りの炎が見える
誰かに似てる


「もう飲むのやめたら?」
「うるさい、子供が説教するな」

「だけど…。おじいちゃんに見られたら怒られるんじゃないの?」
「大丈夫だよ。じじいはこっちには来ないから。この離れは俺を隠す為に用意されたようなもんだから」

「どうして?おじさんもお父さんもおじいちゃんにとって大切な息子でしょ?隠す必要ないでしょ」
「兄貴は大切な息子でも俺は違うの。産まれた時から俺の人生は決まってたんだよ」


グラスに入ってる濃いめのお酒を一気に飲み干してすぐにまた注ぐ
何だか心配になって
本当なら放っておけばいいけど
できなくて
グラスを取り上げた


「お前、返せ!」
「ダメだよ。もう飲み過ぎ」

「いいから返せ!」
「ダメ!」


取り上げられないように代わりにグラスのお酒を飲み干してやった
案の定、喉が焼けつく感じがして
頬に熱が溜まる


「お前バカ…酒飲めないだろ!」
「…あっつい。美味しくないし」

「俺なんて放って帰ればいいだけなのに」
「自分で呼んだくせに。勝手だよ」

「…バカ」
「バカはおじさん。早く水ちょうだい」

「潤…」


水が欲しいと言ったのに
なぜだか強く抱き締められる
その力が強くて
でも小さな声が…それはまるで


「泣いてるの?」


堪えるように声を抑えてるけど
きっと泣いてる
僕にはわかる
だって、お兄ちゃんがそうだから
僕を抱き締めて同じように涙を堪える

そうだ
おじさんはお兄ちゃんに似てるんだ



「おじさん、泣いていいんだよ?我慢しなくて大丈夫。僕、誰にも言わないし」
「…。」

「おじさんは悪い人だけど、きっといいとこもあるはずだから。だから…」
「ぷっ…!」


おじさんはなぜだか吹き出して笑いながらそのまま僕を軽く抱き上げ
ベッドに寝かせる

まさかこの流れで…するとか?

ちょっとムリだよ。頭がアルコールでフラフラするし絶対に酔いそう



「潤は本当に面白いな。飽きないわ」
「えっ?」

「今日は何もしない。ただ隣にいてくれ」
「何もしないの?」

「したいか?」
「ムリ。あんまり動くと吐く」

「それは困る」


クスクス笑い合って
穏やかな空気が流れた
おじさんとこんな時間を過ごすなんて想像もしなかった


それから少しずつ話してくれたんだ
おじさんの今までの出来事
聞くたびに悲しくなって
おじさんを抱き締めた


おじさんはずっと1人
お父さんやお母さんと暮らせないまま
1人でこの離れで過ごしていたんだ


「寂しくなかったの?」
「さあな、お手伝いだけはたくさんいたから適当に構ってくれたし」

「おじいちゃんは何で会いに来なかったんだろうね。隣に住んでるのに」
「女房に怒られるからだろ。兄貴もいるし。妾の子供なんて目障りだったんじゃねぇの」

「お母さんが生きてれば違ったのに」
「さあ。どっちにしても捨てられたんじゃねぇか?」

「そんな…」
「孤独なんて慣れてる。慣れてるはずだったんだけどな」


そう言いながら
おじさんは僕の頭を何度も優しく撫でてきて
僕は堪らなくなっておじさんにしがみついていた


その日をさかいに
おじさんの抱き方が変わる

今までは強引な感じだったのに
すごく優しい触れ方になったんだ
僕の表情や声を確認するようになった


「…ぁんっ、んっ」
「ここ、気持ちいいな」

「ゃ、あ…んまり、みっ…ちゃ、やっ」
「どうして」

「はず…かしぃ…のっ」
「もっと見たいんだよ。もっと声聞かせろ」

「っ、…あっ、すごっ…、気持ちっ、い」


感情が入った 愛 撫は最高に気持ちがよくて
僕は何度も求めて
何度も昇りつめた


おじさんは僕の胸に顔を埋めるのが好きみたいで
幸せそうな顔をして僕の平らな胸を
舐  めたり吸 い付いたりしていた
僕はそんなおじさんの頭を抱えるようにして抱き締める
まるで母親みたいに



変わったことは他にもあった
僕の話を聞いてもらうことが増えたんだ


「ずっと家にいるのか?だから真っ白なんだなお前の肌」
「わかんないけど」

「智、相当性格が歪んでるな」
「おじさんが言う?」

「兄貴は?なんも変わらないのか?」
「いつも母さんとビクビクしてる。お兄ちゃんの顔色を見てる感じ」

「それでお前は家に閉じ込められて。最悪な環境だな。あはは!」
「他人事だと思ってる」

「…思ってねぇよ。智の気持ちはよくわかるしな」


僕が友達に襲われた話をした時はすごく怒ってしまって
今からその子の家に連れていけって
殴り 殺 すなんて物騒なことを言うから
話したことを少し後悔したりして


本当にお兄ちゃんと一緒だなっておかしかった



おじさんと過ごす時間が当たり前になりかけていたのに
おじさんが本当の笑顔をたくさん見せてくれるようになったのに

おじいちゃんに見つかって
全てが壊れた


おじさんはおじいちゃん言った
自分が無理やり僕を脅し関係を持ったと
僕は被害者なんだと
悪いのは自分だと何度もおじいちゃんに叫び続けて
知らない人達に連れていかれた


「おじさんをどこに連れてくの?」


おじいちゃんに聞いたけど何も答えない


「僕、自分の意志でおじさんに…」
「それ以上喋るんじゃない。全て忘れなさい!」

「おじさん、また1人になるの?おじいちゃんはなんとも思わないの?!」
「…。」


「おじいちゃんがもっとおじさんを愛してあげれば…」
「お前にはわからない!それに…それに、私は代わりに智を育てたろ?あいつと同じようにしない為に智を育てたじゃないか」



おじいちゃんはそのまま部屋を後にした
僕はおじさんのいなくなった部屋で
おじさんのいなくなったベッドで
涙を流した


もう、おじさんには会えない
悲しくて切なくて
おじさんがこれからどうやって生きていくのか考えると苦しくて堪らなかった


おじさんは僕にとって
好き…という感情ではないけれど
大切な存在になっていたから

帰るとき、もうここには来ることがないだろうと、思い出に何か持っていきたくて引き出しを開けてみたんだ


引き出しの中から
スケッチブックが出てきた
丁寧に描かれた作品
その中にあったのは

暗い顔をした最初の頃の僕
笑顔の僕
拗ねてる僕
昇り詰めた僕

そして


「お兄ちゃん?」


並んで歩く僕とお兄ちゃんの姿があった
お兄ちゃんは買い物袋を持っていて
逆の手はしっかり僕と繋がっている

おじさんは大人になったお兄ちゃんを見てないはずなのに

びっくりして裏を見ると


     ~智、ごめんな~
     ~潤、ありがとう。幸せに~


優しく僕を見つめるお兄ちゃんの表情は
おじさんが僕を見つめる表情にそっくりだったから、また涙が溢れてくる


僕はおじさんを救いたかった
でもできなかったよ


そんな僕に
お兄ちゃんを守ることができるのかな


おじさんのように
お兄ちゃんも僕の側から離れていってしまう日がくるんだろうか