毒兄 37 | 嵐ちゃん大好き~妄想物語! くるとんのブログ

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基本、潤担ですがメンバーみんな大好き!
下手くそながらお話作っとります(o^-^o)
潤くん絡みのお話達…

翔潤
末ズ
じいまご
モデルズ

お暇なら是非覗いてみてね

 

本当は早く帰りたい

家に帰って、いつものように潤と過ごしていたいんだ

 



「大野さん、あんま食わないんですね。俺も人のこと言えませんけど」



 

ニノは顔に似合わない飲みっぷりで

次々とビールを注文しては飲み干してしまう

顔は真っ赤だけど、あまり酔わないのかいつもと変わらない

それが俺には少し不気味で

なんでコイツについてきてしまったのか後悔していた

 



 

「この店、大野さん家の近くだけど来た事ある?」

「子供だった頃に何度か…」

 

「私もね、来てたんですよ。同じく子供の頃かな」

「…ここの近くに住んでたのか?」

 


「ええ。引っ越してしまったからそれきりになっていたんですけど、昨日、大野さん家の帰りに翔ちゃんと来たんです。だから二日続けてになるかな」

 



 

ニノがこの辺に住んでいたなんて知らなかった

そんな話は聞いたこともなかったし

する機会もなかったから

だけど、もしかしたらどこかで会っていたのかと思うと

少し不安になってきた

 



 

「ニノ、おまえさ…」

「潤くんって素直ですね。何にも染まっていないというか、純粋っていうのか」

 

「潤の話はするな。お前が考える必要もない」

「どうして?大野さんの大切な弟さんじゃないですか。私だって気になります」

 

「意味わかんねぇ」

「ふふ。わかんないですよね。私がどうしてあなたや潤くんにこだわるのかなんて」

 

「なんかあんのか?おまえおかしいよ」

「私ね、あなたの気持ちが少しわかるんです。私にも弟がいるんですよ、潤くんみたいに可愛くないけど」

 


「しらねえよ、おまえの家庭と一緒にすんな」

 

 



全く何を考えているのかわかんねぇ

こいつは俺に何を言いたいんだ

目的がさっぱり…



 

「大野さんさ、これからもずっと潤くんと一緒にいるつもり?」

「はあ?」

 

「もっと大人になって、おじさんになって、おじいちゃんになっても潤くんを離さないの?二人きりの世界に閉じこもったまま?」

「何が言いたい…何なのおまえ」

 

「そんなの不幸だよ、誰も救われないでしょ。あなたも潤くんも。もっといえばご両親も」

「関係ねぇ、黙ってろ!」

 

「あなたが潤くんに執着するのは何故?大切な弟だから?それとも愛してるから?」

「おまえに話す必要なんてねぇんだよ!」

 

 



頭がパンクしそう

こいつの言葉におかしくなる

他人と絡むなんてろくなことがないんだ


こいつは無視して、帰ろう


テーブルの上に自分の飲み代を置いて

立ち上がろうと組んでいた足を解いた

 



 

「帰るの?まだ話があるんだけど」

「俺はない。仕事以外で俺に絡んでくんな」

 

「ずいぶん冷たいこと言うんですね、水くさい」

「おまえにそんなこと言われるような関係じゃねぇよ」

 



早く帰って潤のもとへ

きっと一人で帰らせたから不安だったに違いない

怖い思いをしたかもしれない

早く抱きしめてやらないと

ニノに背中を向けて襖に手を伸ばした

 



「潤くんもあなたも本当に変わってない。いや、変わってないのはあなただけかもね。ずっと同じ瞳をしてる」



 

伸ばした手が宙で止まる

こいつの今の言葉が俺の動きを止める

 



「あんな事がなかったら。あなたは変わらなかったとしても潤くんは違うよね。きっと前に進んでるよ、あなたに捕らわれたりしない」

「おまえ…」


 

「あなたが傍にいるとさ、潤くんはあの過去からずっと抜け出せないんじゃないの?それともあなたはそうして潤くんを自分に縛り付けてるのかな」

 



 

こいつ…知ってる

潤に起きた出来事を知ってるんだ

何者なんだ、何で俺の前に現れたんだ?

 



 

「私ね、潤くんのことが大切なんです。あなたに負けないくらい」

 



 

心臓がバクバクする

こいつが話す言葉に恐怖を感じ始めていた

逃げ出したいけど

足がすくんで動かない

それくらい恐怖を感じてる、この子供みたいな顔をした男相手に

 


 

「大野さん、私に潤くんをくれませんか?」

 


 

この瞳は…本気だ