TATTOOを藤井風さんに! | 歌っていただきたい!

歌っていただきたい!

「歌ってみた」ならぬ「歌っていただきたい!」。
この曲をこのアーティストに、という勝手な思いを綴ります。
Official髭男dismの曲を軸に音楽への思いを放出。
いつか出るトリビュートアルバムで答え合わせできたら♪

ホワイトノイズをLINDBERGに!という前々回の記事中で、TATTOOが主題歌になっているドラマ・ペンディングトレイン―8時23分、明日君とをみている、と書いた。先日10回すべての放送を終えた。最後は期待していたようなはっきりした結論があったわけではなかったし、つっこみどころも多く後味が悪かったのは否めない。ただ終始、主演の山田裕貴さんと赤楚衛二さんがかっこよくて、彼らを毎週拝めるのはなかなかの幸せだった。

 

ああいう終わり方だったのは、人間いつ最後の日がくるかはわからない、それまでの日々を精一杯置かれた場所で生きること、大事な人に大事なことはちゃんと伝える、ということが大切で、予定されていた最悪の結末が回避されるか否かを描くことは二の次だった、ということだったのかな、と思った。ついついアルマゲドン的なラストが頭をかすめていたので、裏切られてよかった気もするけど、やっぱりあまりすっきりはしていない。

 

問題の主題歌のマッチ具合だが、毎回毎回ほんのちょっとずつ印象が変わっていくような、じわじわ来るタイプの主題歌だった。恋は続くよどこまでもで絶妙なタイミングでI LOVE...が流れてくるような強烈なインパクトはなくて、毎週毎週衝撃の展開に視聴者側もすべてを受け入れられないまま流れてくるTATTOOは「もう終わり?」のサインでもあり、登場人物だけでなく、視聴者側にもそっと寄り添ってくれるような曲だった。そして、回によって浮かび上がってくる歌詞の部分が変わり、それを投影する登場人物も変わり、どんどん深遠さを増していった。

 

改めて歌詞を読むと、どの個所もドラマの場面や人を想起させるものになっている、やっぱりすごい、と感嘆した。最終的に♪消えない消せない消させやしない♪が非常に胸に迫り、TATTOOというタイトルも回収されたように感じた。タイトルだけきいたときは中森明菜さんしか浮かんでこなくて、ただただ妖しさしか感じなかったのに。近年、TATTOOを入れている人は日本でも増えてきていて、職場で老若男女様々な人に接している私も、入れている方が来るとそこから意識的に視線を外し、通常通り対応しよう・しようと思ってしまう・・・そんな私は古い人間なんだろうかと軽くショックを受けたりすることもある。

 

初回の放送を見終わった後に、ジャケット(デジタルでもジャケットという表現でいいのだろうか)のTATTOOという文字が走り抜ける電車のように見えて最後が消えかかっている意味がわかった気がした。同時に、消そうとしたけど消せなかった、という文字にも見えて、それも意図としてはひょっとしたらあるかもしれないけれど。それから♪My Buddy, Darling♪の部分やサビのメロディーのリズムが「タトゥータトゥー」と言っているようにもきこえ、取ってつけたタイトルでは決してなく、♪消えない消せない消させやしない♪仕掛けが何重にもあって、すでに私の心から消えなくなったことは確定。

 

余談:最終回、上白石萌歌さんが使っていた抱っこひもに「buddy buddy」というロゴがあり、すぐに♪My Buddy, Darling♪という歌詞が浮かんだ。本当にある抱っこひものようで、意識的に使ったのでは、と思っている。ナイス小道具。

 

書いてみたらとても長くなったので、今回はここまで、近々藤井風さんのことを書く予定。