こんにちは
店主のかげやまです。
みなさんも
こうしたニュース
あまりにたくさんあり過ぎて
もううんざりというか
ため息というか
誰がこんな世の中にした!っていう感じじゃないかと思うのですけど
コーヒー豆の値上がりが
ひどいことになっています。
これは
ニューヨークにおける
コーヒー豆の先物取引の価格
先物取引ってなに?
というところから話し出すと
大変なことになるので
ひとまず、市場を通じて
コーヒー豆を売買するときの価格を
示したものだと思ってください。
縦軸は、セント/1パウンド(約453g)
単位量あたりの価格です。
それが、2024年の11月くらいから急上昇し
ついに先日、400セントの大台を
超えてしまったのです。
3年半前には
200セントを超えるかどうかで
大騒ぎしていたものが
今やその倍。
これは前代未聞の
とんでもない事態です。
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なんでそうなってしまったのかについては
いくつかの説明がなされています。
ベトナムでの大幅な減産
ブラジルでの干ばつの影響
世界的な需要増
ただ、そうした「需給のひっ迫」という
要因だけでは説明がつかないほどの
今回の値上がりに
「ヘッジファンドによる投機」という
要因が取り沙汰されています。
実際のところどうなのかは
ぼくの位置からでは
分からないことが多いのですけど
(分かる人いたら教えてください)
ただ、市場価格が上がっていることは
厳として進行している現実です。
ここに円安、物流コストの高騰まで
乗っかってきますので
コーヒー豆を取り扱っている
商社さんや、焙煎業者さんは
これまでには想像できなかったような
値段を支払わないと
コーヒー豆を仕入れられない状況となっているようです。
●
ぼくらが
多くの豆を仕入れさせてもらっているのは
札幌のロースター、菊地珈琲さん。
こうした状況下でも
菊地さんはプロとして相場と向き合い
誠実に、地道に、経営努力も重ねられ
もう17年にもなる付き合いだからと
ご配慮もくださり
相当に踏ん張った価格で
豆を卸してくださっています。
ぼくらが店頭で販売しているコーヒー豆も
そうした背景を背負ってのもので
どうしたって値上げをしないわけには
いかないのですけど
それでも、ご覧いただくときっとお分かりになるように
世の販売価格と比べれば
ずい分と抑えられた水準に
なっているんではないかと思います。
加えて
店内でお飲みいただく際の
コーヒーの値段は据え置きます。
悩みましたが。
1杯 680円![]()
(浅煎り、深煎り、深々煎り)
2008年のオープン時
1杯 650円でしたから
この17年間
その他のメニューを値上げすることはあっても
コーヒーだけはなんとかと
踏みとどまってきたものです。
それもこれも
お店で飲むコーヒーも
家でドリップして飲むコーヒーも
みなさんの「日常」であって欲しいという
思いからです。
いや、正確にいえば
日々の暮らしにおける
ちょっと特別な時間
アクセントという感じかもしれませんね。
それでもそれは
日々の暮らしの一部としてあるもの。
でも
そのコーヒーの値段が
ある一線を超えてしまったなら
そうした「日常のちょっとした特別」さえ
手に入れがたいものに
なってしまうだろうと思います。
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事が相場だけに
上がることがあれば下がることもある
あるいはいっそう上がる可能性だってある
そうした「大きなシステム」に対し
どんなに望んでも
無関係ではあれない
自分たちの立ち位置に
切なさを覚えつつも
なんとかうまく付き合っていく道
探り続けようと思います。
究極的には
自分たちで(仲間と一緒に)
つくれるようになれば
いいんでしょうけどもね。
あるいは
自分たちで(仲間と一緒に)
つくれるものの範囲で
お店づくりを考えていけるといい。
そうあってはじめて
ぼくらは、大きなシステムに振り回されない
自由な存在になれるのだろうし
そういう道を選ぼうとすることで見えてくる
数々の創造的な可能性だって
本当はあるんだろうと思うのです。
いつか
「カフェはコーヒーを飲むところ」という前提だって
くつがえされることがあるのかもしれない。
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値上げに関し
ご迷惑をおかけしまして恐縮です。
どうかご理解いただけますと幸いです。
これからも
クルミドコーヒーでお待ちしています。








