一日一品江戸料理―304「薩摩名物ころ煮鯛」(『鯛百珍料理秘密箱』より) | 車 浮代 オフィシャルブログ

一日一品江戸料理―304「薩摩名物ころ煮鯛」(『鯛百珍料理秘密箱』より)


一日一品江戸料理-薩摩名物ころ煮鯛ー1


江戸時代、料理本ブームの最中の天明五年(1785年)に、

『鯛百珍料理秘密箱』という、99種類もの鯛料理のレシピが

載った本が発売されました。


今回ご紹介するのはその中の一品。


「ころ煮鯛」と書いて「ころいりだい」と読みます。

実際、鯛を炒りつけてから煮ているのでそう読むのでしょうが、

どこかの段階で「ころ煮」と「ころ炒り」が合体してしまった

のではないかと思う次第です。



「薩摩名物」とありますが、残念ながら、現在の鹿児島では

聞かない料理です。


廃れてしまったのでしょうか?

『豆腐百珍』の中の「うつし豆腐」 にも似ていますが、

こちらは単に煮るだけなので、よりあっさりしています。


「薩摩名物ころ煮鯛」(『鯛百珍料理秘密箱』より)

■材料

・鯛の切身…1切れ

・木綿豆腐…1/2丁

・胡麻油…大さじ1/

・水…1/2カップ(100ml)

・酒…1/4カップ(50ml)

・醤油…大さじ1

・大根おろし…適量

・唐辛子…少々


■作り方

1)鯛は食べやすい大きさに切り、豆腐は4つに切る。

2)鍋に胡麻油を熱し、鯛の身を皮を上にして焼く。軽く焦げ目がついたら、

  酒と水と醤油を加え、一煮立ちしたら豆腐を加えて中火で4~5分煮る。

3)器に盛り、大根おろしと唐辛子を乗せる。




一日一品江戸料理-薩摩名物ころ煮鯛ー2