一日一品江戸料理-13:「うつし豆腐」春ヴァージョン
「うつし豆腐」というネーミングは、豆腐に旨みを移すために
鯛をだしに使っていることからつけられたようです。
…贅沢ですね(笑)。
もちろん、だしが出たくらいで鯛の味は落ちたりいたしません。
鯛も豆腐も、汁もおいしくyいただける料理です。
今回は春らしく、味付けをひと工夫。
本来は調味料にしょうゆを使うのですが、江戸時代の半ば、濃口醤油が発明されるまでは
とてもポピュラーだった調味料、「煎酒(いりさけ)」と、桜の花を塩漬けにした「桜茶」を
使ってみました。
※「煎酒」の作り方は下記をいご覧ください
しょうゆやポン酢の代わりに、いろいろな料理に使えます
これがもう、我ながらナイスな思いつきで。
桜の香りが素晴らしく、見栄えも美しく。
「うつし豆腐」
■材料
・豆腐…1丁
・鯛の切り身…1切
・塩…少々
・水…1.5カップ
・昆布…5cm
・酒…大さじ3
・煎酒…適量(なければしょうゆでも可)
・桜茶…ひとつまみ
■作り方
1)豆腐は6等分に、鯛は一口大に切り、全体に塩をまぶして
5分ほどおいて水気を拭き取る。
2)鍋に水と昆布を入れて中火にかけ、煮立つ前に昆布を抜いて
酒と鯛を入れ、鯛に火が通ったら豆腐を入れて温め、仕上げに桜茶を入れる。
3)器に盛り、煎酒を添える。
しょうがとゆずとしょうゆを添えます
「煎酒」
■材料
・酒…1カップ
・梅干し…1個
・塩…少々
・削りがつお…ひとつまみ
■作り方
1)鍋に酒、梅干し、塩を入れ、煮立ってきたら削りがつおを入れ、
弱火で5~6分煮詰めて漉す。
「煎酒」は癖がなく、素材の味を引き立て、料理を上品に仕上げて
くれますが、あまり日持ちがしないのが、しょうゆにとってかわられた
理由ではないかと思われます。
作るのが面倒な場合は、こちらでお買い求めいただけます。
私も大ファンの、銀座三河屋さんの主力商品。
長期保存も可能なこの「煎酒」は、テレビや雑誌で度々取り上げられ、
試した方の口コミで広がり、リピーターも急増中だとか。
これ以外にも、銀座三河屋さんの商品はどれもこだわりがあっておいしく、
私も少しずつ購入してはチャレンジしています。
先日お店を訪れた時は、古文書通りに作ったという三種のお酒を
試飲させていただきました。
http://www.ginza-mikawaya.jp/?mode=cate&cbid=734141&csid=0
沢庵グランプリで金賞をとった、キング・オブ・沢庵などのお漬物とともに。
http://www.ginza-mikawaya.jp/?mode=cate&cbid=734137&csid=0
ちなみにこれらのお酒、現在の日本酒とはずいぶんと趣が違います。
それぞれに個性豊かな、乙なお味でした。