ロンドン東にあるギャラリーで盛大なオープニングです。
私は招待状も持っていなかったのですが、門の前に立ちはだかる2人の巨大な警備員の間をスルリと抜け気づかれることさえなく無事にギャラリー潜入成功です。
だからといって、招待されていなかったわけではありません。
ロンドン在住のアーティストであるYo Okadaさんからしっかりちゃっかり招待されていたのです。
ギャラリーの庭に入ったところでさっそくYoさんを見つけ、これまたちゃっかりドリンクチケットをいただきました。
ちょっぴりチャットチャットチャットして、さっそくじゃあ作品でも見てこようかなと思ったらすっとこどっこい、いつの間にやらすんごい人です。
なんとギャラリーに入りきらない人々が外で列をなしています。
「やんべー、乗り遅れたー!」
つっても、大丈夫。
私はそれこそ忍者のように隠れ身の術を使い、するすると裏門からまたもや進入大成功。
だけど作品なんて見れたもんじゃありません。
作品なんて見てる人いません。
ここは社交の場です。ペインティングの前で、ビデオ作品の前で人々はチャットチャットチャット。
「ヘーイ!ハウアーユー?」なんつってキッスキッスキッス。
こんな時ばかりはわたしの隠れ身の術は逆に災難を招きます。
皆、私が小さくて見えないもんだからボンボンぶつかります。
いや、これはそんなの関係ないのかもしれません。ここは日曜日の竹下通りみたいなもんです。
Yoさんの作品はまさに2階。2階にも長い列が続いています。
Yoさんの作品はペインティングです。
淡く、薄く、消えてしまいそうな色彩です。
まるで遠い記憶の中のイメージを呼び起こしたような雰囲気がします。

Yo Okada Fire on my ex-boyfriend’s house 2006
この絵を前にして、ちょっぴり切ない気分になりました。
寒く凍えるギャラリーの中で呆然と立ち尽くす私。
家が火事になっているというのに、大きな静寂を感じました。
それにしたってトイレに行きたい。
でもトイレは長蛇の列。これは帰らなければ。
もじもじしながらYoさんにお礼を言い、もじもじとバス停に向かいます。
なかなかバスもやってこないので、ずーっとバス停でもじもじ君です。
やっとバスが来たと思ったら、途中で運転手さんと乗客がケンカをおっぱじめ、バスが進みません。
もじもじもじもじしながら、自身の無事を祈り、帰路につきました。