金沢駅のミステリー② | クルマーシーは日本にいるよ。

クルマーシーは日本にいるよ。

今日もこんにちは。これから新しい生活です。

灼熱天国の中、私たちは東茶屋街に向かった。
てくてくてくてく。
途中、川をわたる。とても魅力的で、模範的な川だった。サギがいて、少年がいて、犬がいた。

細道。てくてくてく。

東茶屋街は平日のため、ほとんどの店が閉まっていた。
灼熱天国の中、私たちは東茶屋街にいた。そして、なんならお茶屋さんを探していた。
ぐるっと歩いて入ったお店はお茶屋さんではなくて、お土産屋さんだった。
おかあさん一人で音楽を聴きながら店番をしている。
「それにしても今日は暇なのよ。」とお茶を入れてくれた。
商品のディスプレイに使われている椅子に腰掛け、商品の試食用のクッキーをつまみながらお茶をいただいた。おかあさんはこの街にもうずっと住み続け、亭主があっちこっち遊び歩いている間もここから離れなかった。古い家の低い天井に解放され、新しくできた21世紀美術館の広さに圧迫感を感じ、金沢駅のドームには恐ろしくて近づけなくなってしまった。
「でもね、あたしも行きたいところがあるんよ。」

駅だな。
あのおかあさんの人生のポイントは駅なんだ。と店を出たあと私はよっちゃんに言った。
よっちゃんは「そんな単純じゃないよ。もっと何かがあるよ。」と言う。
本当に、よっちゃんイカはなんでも物事を複雑にしてしまう。
すべての物事に対して卒論が書けてしまうぐらい深読みするのだ。なんてったって口癖が「これ、卒論書けるな。」だからな。

帰りにもあの模範的な川を渡る。
夕日が顔をテカテカ焼いてる間、私たちはぼーっとした。サギが直立不動で何かを見つめ、5分も10分も動かずにいるのを私たちも同じように5分も10分もサギを見つめた。
よっちゃんは煙草を吸って、私は靴を脱いで足を川に浸した。
私たちはとにかく疲れて、今すぐベッドにダイブできる心境だった。
ホテルはすぐそこだった。