日本語アレコレの索引(日々増殖中)【33】
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mixi日記2024年03月11日から。
下記の続き。
【インストールを完了させる〈2〉】
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もとの閉鎖空間に〈2〉のリンクを張って意見を求めてみた。
〈時田氏は「A サービス精神が社員に徹底する。」はダメだと言っているということでしょうか??〉という質問があった。
当方の返信。
===========引用開始
この問題に関する記述は引用した部分がすべてなので、そこから判断するしかなくて……。
流れがわかりにくいのですが……。
A サービス精神が社員に徹底する。
B サービス精神を社員に徹底させる。
はどちらもアリとしていると思います。〈もう少しはっきりと示すなら〉「~している」にするといい、の真偽は不明です。
本書の趣旨に合わせるなら
サービス精神を社員に徹底する。
が不可だと思います。
これは「徹底する」を他動詞して使っているようですから、×にする理由はないような。
むしろ、自動詞ナシとしている新明解に従うなら、
A サービス精神が社員に徹底する。
が×になりそうな。
当方の考え方だと、
サービス精神が社員に徹底する。(自動詞用法)
サービス精神を社員に徹底する。(他動詞用法)
サービス精神を社員に徹底させる。(自動詞用法の使役形)
ですから、やはり自動詞用法を認めないなら〈サービス精神を社員に徹底する。〉しか許されないことになりそうな。
個人的な語感ではどれもOK。〈サービス精神が社員に徹底する。〉はちょっとイヤかも。
===========引用終了
以前から、この問題に関して何度か実例をあげているT氏のコメント。
===========引用開始
ご面倒をおかけしてます。あまりお時間をとられませんよう。
日本語の動詞の自他に関しては曖昧な領域があるのはもういろんな例でわかっています。明鏡も、それについて項目を設けていることが多いくらい。
前にも書きましたが、自動詞の意味が念頭にまずあって、そこから使役表現になっいてく、というのなら分かるんですが、最近の特に極端ややつだと、どちらかというと「さ入れ」現象に近いのかもと思ったりします。
===========引用終了
「さ入れ」現象が出てくるとは……。
当方のコメント。
===========引用開始
>最近の特に極端ややつだと、どちらかというと「さ入れ」現象に近い
なんということを(笑)。
感覚的にはわからなくはありませんが、それをちゃんと説明するのは難題(泣)。
===========引用終了
===========引用開始
当方は、自他両方あるものに限り、3用法ともアリと考えています。悪戦苦闘の結果なので、少しこだわりたい(泣)。
どれを使うのかは書き手の自由。
ただ、現状のように自他の判定が曖昧だと、どうしても妙なことに。
結局、一冊でも自他を認めている辞書があれば許容なんでしょう。
逆に言えば、異和感があるのは、辞書も認めていないし多くの人が認めていない用法なんでしょう。
結論としては、
あまりにもヘンでなければ許容
少しでも異和感があるなら×
さあ、どっちを選ぶ?
個人的には、他者の文章なら「あまりにもヘンでなければ許容」で、自分では「少しでも異和感があるなら使わない」。またそんな結論か(泣)。
===========引用終了
結局こんなことしか言えない(泣)。
ちなみに「サ入れ言葉」に関しては下記かな。
【# 過剰な使役表現(せる・させる)について】
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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━引用開始
【◯抜き言葉 ◯足す言葉 新種の「ダ抜き言葉」発見】
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===========引用開始
●サ足す言葉(一般には「サ入れ言葉」かな)
ex.作らサせていただきます
「助動詞「ない」+そう」にサを足してしまう形は、許容されつつある。
ex.行かなサそう
===========引用終了
テーマサイトにあるように、「勉強させる」は未然形の「勉強さ」+「せる」〈「させる」が付いているわけではないことに注意〉。ここがけっこうキモ。「話させる」が未然形の「話さ」+「せる」であることを考えればわかりやすいかも。これも踏み込むとややこしい話になる。「拝見させていただく」の敬語を外した形は「見せてもらう」か「見させてもらうか」を説明するのは難問。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━引用終了
「サ入れ言葉」の法則性に関しては、一応文法的に説明できる(多少のユレはあるかもしれないが)。
「完了させる」の類いに関しては、文法のユレが大きすぎて、ちゃんとした説明をすることさえむずかしい(泣)。
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