7日間の11冊 | 破滅の美学〜絶望と希望の狭間で〜

破滅の美学〜絶望と希望の狭間で〜

過去に書いた詩や英語の詩やエッセイもどき、哲学のコト、X JAPANのコト、芸術のコト、などなど。時に過激で人畜有害かも?

栗本 薫 『鬼面の研究』

近藤 史恵 『凍える島』

今邑 彩 『盗まれて』

川村 元気 『世界から猫が消えたなら』○

乙 一 『銃とチョコレート』

喜多 喜久 『二重螺旋の誘拐』○

大沢 在昌 『Kの日々』○

佐野 洋 『歩け、歩け』

松本 清張 『断崖』

連城 三紀彦 『顔のない肖像画』

有栖川 有栖 『双頭の悪魔』○

 

「何かを得るためには、何かを失わなくてはね」あたりまえのことだと、母さんは言った。人間は何も失わずに、何かを得ようとする。でもそれは奪う行為に他ならない。だれかが得ているそのときに、だれかが失っている。だれかの幸せは、だれかの不幸の上に成り立っているのだ。そんな世界の法則を、母さんは僕によく話していた。(『世界から猫が消えたなら』より)

 

今週の三島由紀夫

「……そうして、美とは、いいかね、美とは到達できない此岸なのだ。そうではないか?―略―美は、これに反して、いつも此岸にある。この世にあり、現前しており、確乎として手に触れることができる。われわれの官能が、それを味わいうるということが、美の前提条件だ。官能はかくて重要だ。それは美をたしかめる。しかし美に到達することは決してできない。」(『禁色』より)