交響曲第9番 Celebration - 1 - |   ひとしらずして

  ひとしらずして

   プロスケーター町田樹の誕生から引退までを見守ったファンの記録

第九の最後のパート『Celebration』。
祝福、喜び、賛美、歓喜。光を見出す、歓声を上げる。


※この軌道は九分九厘正確ではありませんが、第九だけは自力で考えてみるというのがこの記事のモットーなので、
ご理解のほどよろしくお願いいたします。


このパートでは今までの出来事(パート)からの浄化、カタルシス。そして感情の解放。

演じる側にとっては、ここからラストスパートか。
残った力を振り絞ってラストの歓喜へとなだれ込む。

■Celebrationパートの冒頭から3Aまで

私は結局、町田樹が演じた作品の中で、
一、二を争うぐらいに第九が大好きです。
私が理想とするフィギュアスケートの作品としてパーフェクトだと思う。

 

ですが、一か所だけ嫌いな振り付けが……
それはこの「わわわわ!」って両手をするところ。この振付だけは嫌いなの(ー'`ー;)
新火の鳥にも、この「わわわ」が入っていて、その時もガックリきた覚えがある。
私的に町田くんに似合わない動きだと思うんです。

観客の感情も自分の感情も盛り上げる部分に使用されているけど、
スゴくここだけ……アメリカンっぽい(偏見w)
美しさというカタチが私には感じられない。
第九とか火の鳥に使用するのは、なんか別ジャンルを安直に入れた感じがして嫌。
この振付さえなければ、本当に120%パーフェクトなのになぁ。

あと、この表にはジャンプの予定構成を入れています。
この部分の3Aは結局どの試合でも入れることはできなかったように覚えています。
町田くんの高く美しい3Aが入った瞬間を見てみたかった。



■3A以降から3連続のコンビネーションまで

このパートで一番好きな振り付けはここ!
このライオンさんみたいな町田樹。



ここで一番心を掴まれるのが「躍動感」
立ち止まって行う振付なのにも関わらずですよ!
ポージングも美しい&カッコいいけど、何よりも注目すべきは髪の毛!
たぶん、この生き生きとした髪の毛がココでの躍動感を高めているんだと思います!

とはいえ……滑ってないのに、こんなに髪ってダイナミックに動くものなのですか??

不思議に思った私は鏡の前で、ここの振付真似してみました。
しかし、ピクリとも動かない私の髪。(天パ剛毛だからかw)

町田樹の踊りは全身全霊。
本当に…魔法のように、指先足先から髪の毛の先まで意志を感じる。

 

終盤であるCelebrationパートでの疲労はそうとうなものだったのでしょう。
ここの3F+2T+2Loの3連続のコンビネーションも決めることは出来なかったですね。
なので2T+2Loのジャンプの位置などは、おそらく決めればこうなったのではないか?と予測したものです。




■コレオシークエンスからラストまで

最後のルッツジャンプ。
天を仰ぎ問いかけるようで…体が十字架をかたどっているようで……、
とても神聖で荘厳なシーン。



このジャンプだけは、調子の悪い試合でも失敗しなかった。
意地で決めてきた。
最後の3Lzはまさしく町田樹のアイデンティティ。
だからこそ「アダージェット」にも入れたんだろう。
彼が演じてきた人間賛歌とは、ありのままの自分を価値あるものと認める心。
そして……広く自分を含めた人間を肯定し愛することで降り注ぐ多幸感。

町田樹の「第九」という作品に出会えて本当に良かった。