交響曲第9番 Cherish - 3 - |   ひとしらずして

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   プロスケーター町田樹の誕生から引退までを見守ったファンの記録

前回の記事から随分と時間が空いてしまいましたが、Cherishパートの続きです。


※この軌道はド素人の私が出したものなので九分九厘正確ではありません。軌道出すのって難しいですね(;^_^A 

でも間違っていても、第九だけは自力で考えてみるっていうのがこの記事のモットーなので、

ご理解のほどよろしくお願いいたします。


Cherishパートの素晴らしい点は、兎にも角にも音楽との調和だと思います。
音の高低、音の強弱、音の長短、音の音色。全て身体の動きで表している。

『 音楽の リズム』と『動きのリズム』とが互いに共調することによって、

新たに生み出された“リズム”こそ、

時空間芸術と しての特性をもつダンス・舞踊における“リズム”であると考える。 
ダンス教育における「リズムにのる」ことについての考察 : 音楽と身体の動きのかかわりを視点として
上越教育大学リポジトリ/より


ずっと動き回っているにも関わらず、瞬間瞬間のポージングが鮮明に残る
この一瞬、時間が止まったかのように感じる美しさこそ

フィリップ・ミルズ&町田樹の真骨頂だと私は思っています。

ここではとにかく回転している……円を描いているイメージが強かったので、
トレースする時はワクワクしていました!渦巻きみたいな文様が現れるのかと思っていたのです。
しかし実際にトレースを仕上げると、露骨に円を氷上に描いているわけじゃなった……(◎_◎) 
 




Cherishパートは全部の振り付けが大大大大好きなのですが、
特に私が好きな振り付けが「軸足のつま先で立ち回る」シーン。

回りながらエッジを立てるだけ。
たったこの僅かな動きなのに、ここから感じる浮遊感が素晴らしい。
一瞬、町田くんが空中に浮いたのかと思った!



バレエジャンプや、つま先で立ち回る箇所など
動きにキレがあり、ポージングが完成されていたのはスケートアメリカだったと思います。

第九の最終演技となった全日本では体の隅々まで最大限に動ききれていない感じ。
バレエジャンプの高さや足の開脚も小さく惜しい。
でも…ずっと笑顔なんです。心から踊るのを楽しんでいるような柔らかな笑み。


最終演技だというフィルターが私の心にかかっているからだとは思うのですが、
このCherishの部分だけを比べてみれば、
どちらが最高だとか決めきれない自分がいます。

昨今フィギュアスケートの世界でも「高度な技術は芸術になりえる」

そのような言葉をよく見聞きするようになりました。
私も「高度な技術」は芸術の絶対的な基盤として求められるものだと思います。
でも、それとは違うベクトルの『何か』がないと100%を超える創造物にはならないのではないか……。
 

Cherishは私に「芸術とは」と思考することの奥深さを感じさせてくれるものなのです。