人間はいかに生きていくべきか - 私的まとめ |   ひとしらずして

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   プロスケーター町田樹の誕生から引退までを見守ったファンの記録

◎エデンの東
◎第九
◎継ぐ者
◎人間の条件

【人間はいかに 生きていくべきか】というコンセプトで繋がっているという4作品。
ぼんやりと考えていたらそれぞれが対になりそうだ……と思いましたので
個人の主観ですが表にまとめてみました。



表にしてもわかり辛い言葉の羅列。
これは私の突っ走った考えや覚えておきたい言葉をメモしたようなものなので御免なさい。

エデンの東のテーマを『自己』という個体、自己の確立。とするならば、
継ぐ者のテーマは『他者との繋がり』他者の中の自己、自己の中の他者の存在、生の連鎖。

そう考えるとエデンの東と継ぐ者は同じ【人間はいかに 生きていくべきか】というコンセプトを持ちながら対になる2作品だと思いませんか。

後の2作品は、少し回りくどい言い方になりますが、
第九のテーマが『他者に向けた“祝祭”』だとするならば
人間の条件のテーマは『自己に向けた“意志”』だと感じたのです。
だから私はこの2つが対局(対になる)にある作品だと思ったのです。

第九は人間の勇気と愛と希望を身体で表現し、世界を奮い立たせるような作品。
喜びでその場にいる人々を一体化させるような
町田樹から他者へ放出されるエネルギーを感じるのです。

一方、人間の条件は一人の人間の決意表明のように感じました。
不条理という現実に苦しみ、葛藤を経て、
それでも消えない自分の中の炎に気づく……。
その身の内側で超新星が生まれる瞬間を目撃したようなイメージ。

だからやっぱり私のなかではこの2つが対局にある。

人間が生きていく上で乗り越えるべき問題って、
個人的問題と、社会的問題とだいたい二通りになるものなんだなぁ。



聞きかじりだけど、
“不条理”について色々探っていたらていたら
『シーシュポスの神話』でアルベール・カミュは、
「不条理から3つの結果を得た。反抗と自由と情熱だ。
私は自分の意志で人生に待ち構える死を受け入れ、自殺を拒絶した」と言っている。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%8D%E6%9D%A1%E7%90%86
この言葉を見て、人間の条件に通じるものを感じた。

前にも似たような矛盾との対立&反骨精神に心躍った覚えがある。
「のだめカンタービレ」の多賀谷彩子ちゃんだ!

手に入れたいモノは 二度と手に入らないモノで
手に入らないモノなのに 焦がれるほどに恋しくて……

悪いか、こんちくしょ〜!
それが女ってものだろう!


高尚な言い方は出来ないけど、私が人間の条件を演じる町田樹に感じたのもこれだ!
人生は不条理だ……と、すべてを飲み込めば楽になれるのかも……と思ったけど、
それでも求めたり夢見たり、諦めきれない何かがある。
飲み込みきれるもんじゃない!

第九のルッツジャンプはその象徴だったように思う。
…もう競技者の体じゃないし、
失敗するんじゃね……?
理想形は手には入らないんじゃね……?
いやいや……どんなに失敗する可能性が高いとわかっていても
ギブアップできない事ってあるやろ。
選択した道の先がどんな世界だろうと
自分のやりたいことはやる!
不条理に対する反抗。そんな自由と情熱。

悪いか、こんちくしょ〜!
それが人間ってものだろう!



今まで私は、第九のジャンプの失敗は
思い通りにいかない人生「不条理」として作品のコンセプトに合ってるんじゃない?w
とか半分真面目に考えていたけど……逆だったんだ!!!
あのルッツジャンプを飛ぶ選択こそが運命への抗い。
「それでもリンゴの木を植える」それだったんだ。

だって町田樹作品においてルッツジャンプの意味は
どの作品でもtimshelだったもん。
町田樹のアイデンティティ。
きっと人間の条件でもあの瞬間が全ての合流点だったはずだよね。



世の中の不条理を受け流すようになってしまった私にとって
やっぱり人間の条件の町田樹は可愛くてしょうがない。
さっきから私は失敗だの何だのと言ってるけど、
町田樹は一発で仕留める気満々だったと思いますw
そういう負けん気の強さも好きさ。

そういえば、KENJIの部屋で負けず嫌いな一面が見れるとか?
楽しみ楽しみ♪