kurokinoshigoto

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饗くろ㐂の様々な仕事を書き込みます。

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こんにちは!


1年半ぶりくらいのこちらのブログの更新…f^_^;


微妙に毎日数人の方が見られていることにビックリ…




14日、15日に営業した朝うどん営業。


今回は小麦のブレンドはしないで、単一の小麦粉2種類を2日に分けて製麺しました。


くろ喜はロール麵機での製麺になるので、普通に製麺していたらグルテンの形成方向は麺に対して縦のみの一方向でのばされます。


手打ちうどんや、うどん用の麺機は縦横、また斜めなど色々な方向に形成されたグルテンをのばすことが出来ます。


この二つの違いは茹でた後の麺ののびやコシに関わるんです。


ロール麺機で打った麺(一定の方向で伸ばされたグルテン)のほうがのびるのが早いんです。


また生地の鍛え方、休ませ方でもかなり麺は違ってきます。


今回はロール麺機での製麺だったので、その形成されたグルテンをのばす方向をいかに一定方向ではなく、少しでも多方面?(言い方がわからないですが…f^_^;)にのばしていくかを考えて打ちました。




今回は試打ちを加水46%と42%の2回したのですが、ラーメンの麺と違い、タンパクが低い小麦粉単体で、しかも塩分濃度がラーメンより4倍から5倍ほど高い、初めての加水での製麺だったので最初の水回しで、いつもやる工程ではあまり水和が進まずざらざらな麺になってしまいましたf^_^;

(くろ喜では今中華麺を作る時、加水42%.46%で打っているのですが水回しの時点でもう全然違いました)



なので加水を高めて48%、塩は13%で打ちました。


水回し後、タンクにそのまま粉を入れた状態で20分寝かせてから打ち始めました。


先ずはバラがけの時にロール回転スピードを50%に遅くして、じっくり密に圧縮しながら麺帯を作っていきます?



バラがけの後の複合で麺帯を切って90度回して、形成されたグルテンの向きを横にして、3枚重ねて圧延していきました。


ロールに合わせて麺帯を切って…










90度まわして今度は横に形成されたグルテンを延ばしていきます!











つなぎ目は重ねて…


その際ロール回転スピードは1番早い回転で、こちらは密に圧縮しないように…


最初密に圧縮させて、それを三層の麺帯にして90度回転して縦横に延ばして…


でも最初に密に延ばしているから、そのあとはゆるくスピードを早めて…

で2回目の複合も早めのロール回転で…

その後の圧延は少しずつ薄くしていき、手打ちのように、麺帯にストレスをかけないように1回目の圧延はロール回転スピードは早く。

2回目の圧延からロール回転スピードを遅くして、密にのして。


最終圧延もロール回転スピードを遅くして密に…


こうすることによって最初に密に縦に延した麺帯を横にして、ロール回転スピードを早くして重ねて、最初の三層の密な麺帯のグルテンの向きを残しながら、横に延していくという工程で、グルテンの延ばし方の向きを左右にのばしていくという、方法を今回はとりました。


ロール麺機でなければ、こんな面倒な工程はしないで済むのですが、ロール麺機で形成されたグルテンの伸ばし方を考えると…


また今後色々考えて実践したいと思いますが、今回のこの、水回しの時点で寝かすという工程、形成されたグルテンの伸ばし方、これは今後の製麺にも活かされるなと…


以前、専門誌で七彩さんが、ロール麺機で圧延の時に、麺帯を右斜め、その後左斜めに交互に延していく、千鳥という製法で製麺をしていたのを見たことがあったのですがそれは、形成されたグルテンの、のばしかたの方向を複雑にしてコシ出すものだったのか、今度阪田さんに聞いてみます!


今回はこんな感じで形成されたグルテンの伸ばし方を考えての製麺でした。


今後も色々とロール麺機でいかに美味しい麺を打てるか、色々考えながら打っていきたいと思います(^O^)/


ラーメンは深いなーーーー…













こんにちは!


表題の「捨てる勇気」という言葉。


これは前にてんぷら近藤さんの近藤店主とお話をした時の言葉です。


その時は近藤店主の目の前で食事させていただき近藤店主の動きを間近で拝見しながら食事するという、素敵な貴重な時間を過ごした時に見た光景でした。


天ぷら衣を作って数回(2.3回…)使ったら、次はそれを使わず新しい天ぷら衣で揚げ始めるのを見て、うわぁもう変えるんだ‼️と驚きながら食べた記憶が…


食べ終えた後近藤店主とお話しした時に、あの段階で天ぷら衣変えるんですねとお伺いしたら。


近藤さんに食事に来るお客様は、最高の天ぷらを求めてご来店されると…


そこであの天ぷら衣を使うことはお客様の期待を裏切ると…


「捨てる勇気も必要なんだよ」と…


近藤さんの当たり前のレベルの高さにただただ勉強になるばかりでした…


饗くろ㐂の塩そばは鶏をメインにした一杯で、チャーシューも、丹波黒どりのもも肉とむね肉を使っています。


毎朝、毎夕、昼営業、夜営業前に1羽を捌いて鶏チャーシューをつくります。


もも肉は塩のみの味付けでフライパンで皮面を焼き狐色になったらフライパンを水につけ、フライパンの温度を下げてからひっくり返し身側を焼き、しっとり香ばしく仕上げています。



焼き上げたもも肉は提供前に切り分けるのですが、その時、この部分があるとせっかくしっとり香ばしく焼き上げたのに、硬さが残る部分が2箇所あるんです。



まず1箇所はくるぶしに当たるところです。

ここは足の指を動かすために筋が沢山ありその筋が焼くことで硬くなるんです。













2箇所目はこの筋の上の筋肉の表面の部分なんです。
ここは火を入れると極端に硬くなる部分なんです。



饗くろ㐂ではこの2箇所を切り落としてから、らーめんの具材として使っています。




この2箇所の少しだけの部分を何もしないまま使って、あれ?少し硬いな?と思ってもらうのか、この2箇所の少しだけの部分を切り落とし、香ばしくジューシーな美味しい鶏だなと思っていただくのか…





ラーメンは提供価格が安く一杯の売価で商売しているので流石に捨てるわけにはいかなく…




細かく切って地鶏めしに混ぜて使っています。




食材の生産者様の想いを汲み取り、くろ㐂のフィルターを通して、美味しい一杯のらーめんを作る。




美味しくするも、不味くするも、料理人の想い、一手間が左右するのだと店では教えています。


だから料理は面白いんですけどね…









こんにちは!



只今提供している

「香川県塩江産野菜の味噌そば」



今回はドロドロなのにさっぱりなスープにしています!



「饗くろ喜 大将ブログ」←作り方はこちら



以前提供していたあさり味噌そばでもそうですが、くろ㐂は開店時、鶏豚骨のドロドロ濃度(ブリックス)12度くらいのスープに味噌だれを合わせた混ぜそばみたいなラーメンを提供していました。



開店当初のドロドロ味噌ラーメン。


その当時は豚頭30個、豚皮20kg、鶏ガラ20kgな感じで2日間かけて作っていました…f^_^;


懐かしい…







「あさり味噌そば」


豚骨のドロドロが食べれなくなってしまい、浅利と昆布のスープでドロドロのスープにした味噌そば。



今回は昆布出汁なんですが水10Lに昆布200gを前日に水出しにし、翌朝圧力鍋で10分加圧しブレンダーで昆布ごと回してドロドロのスープにしています。


あさり味噌そばの時はあさりむき身と昆布を一緒にブレンダーで…


このように昆布をブレンダーで回してそのままスープにする場合は旨味を水に移す作業もなく、濃度も出るというスープが出来ます。


開店当初からご来店されているお客様は、今回のドロドロスープ懐かしいねと…


でもあっさりしているからぜんぜんもたれないんです!



黒木も歳とったせいでなかなか濃厚こってりが食べれなくなってきましたがこのような、昆布出汁の濃厚コッテリならまだまだ食べれますね…

















こんにちは!


今日はくろ㐂で使っている料理道具の紹介。


くろ㐂の手鍋はこちらの手鍋を使っています!


京都の鍛金工房 WESTSIDE33さんの鍋です。









大きい注ぎ口があるからスープをレードルに注ぐ時にキレイに注げるんです!




本来は注ぎ口が左側になっているのですが、くろ㐂では特注で右側にして作ってもらってます!





左側通常バージョン









くろ㐂の右側バージョン



くろ㐂では1日で1番多く使う道具です。


板前時代、最初の仕事が鍋磨き。


何年使ってもやっぱりピカピカの鍋は気持ちがいいですね!












2年前に黒木がお店に行った時の写真です!










色々な鍋があって見てるだけで楽しいですよ〜(^O^)/







前回の野菜を干すのこんなふうに鉄串にさして干したりもしてます。

ダクトの角に。








こんにちは!


すみません、かなり期間が空いてしまいましたね…f^_^;


今年は週一投稿しようと思います…


今回は旨味。


ラーメンは旨味の料理。


くろ喜では野菜も沢山使うので野菜の皮や箸切れが出ます。


くろ喜ではそれらを捨てるのはもったいないから、ただスープに入れるということはしません。


くろ喜では一度干してからスープに入れます。


こんな感じでバットに並べてガス台の上の棚に置きます。








大体1日から1日半でこんな感じに干されます!





これ以上干すと苦味が出るのでこれぐらいで完成です。



そのほかにもトマトのヘタやキャベツの芯など…



茄子や赤い大根などは色がスープに出てしまうのでくろ喜では使いません。


紫くろ喜時代のスープには旨味含有量の多い白菜やトマトを生のまま使っていました。


こういう水気が多い食材はしっかり計算してからやりないとただ薄まっていき、香りなども変わってきます。


干すと旨味が数倍になり、また香りにおいては生の時に感じる香りも変わってきます。


少量で旨味を補うことも出来ます。


ちょっとの工夫で旨味は得られますよ〜(^O^)/


次回はいつになるのか…











こんばんは!

やっと開始しましたね、このブログ…


今回は先週提供した「鮪つけそば」で具材&スープになったインドマグロの顎肉。


こんな感じです!



顎の部分のうころが半端なくビッシリ食い込んでいるので、くろ喜ではお湯を沸騰させたところに顎肉を入れて20秒くらい湯霜にかけます。


普通は湯霜にというと沸騰した湯にさっと潜らせて、冷水に取りますが…


鮪は鱗が本当に深く身に入り込んでいるので、湯霜というより少し煮る‼️みたいなテイストでやらないと…


そして冷水に取り、手でズルっと鱗と皮をこそげとるんです‼️


ズルっと…











こんな感じで丸裸状態にします‼️

あの鱗が一枚でもあると、喉にへばりついてもう、違和感300%‼️みたいな、本当に嫌なことになってしまうので、一枚残らずズルっと剥きます‼️



スタッフにも話しましたが、大将も今回顎肉初めて使いましに!



普通の魚とは違う鮪、泳ぎ続けないと死んでしまう、ということは鱗はがっつり鎧のように、そして、身体にビッシリしっかり付いている…



それを考えると普通に軽く湯霜にしただけでは取れないと推測する…



案の定、さっとやっただけでは全然取れず、逆に手や爪の間に入って痛い痛い…


ある程度の工程を把握して、その食材を理解すれば、扱ったことのない食材でもある程度の仮説は立てることができ、扱うことができると思うのです。


考える…



これくろ喜では重要な言葉で、毎回その行動は考えて行動したの?何も考えないで行動したの?…



全ての事柄、考えて行動をしないと意味がないと…



話はずれましたが、今回、羅臼昆布の出汁に、オーダー毎にこの鮪顎肉を羅臼昆布に入れて強火で火を入れて…



そして今回出るアクは絶対取り切る‼️



赤身系のアクは香りが酷い…


これを巻き込んでしまうと、もうそのスープは臭みありありなスープになってしまいます…


またお話しますが、美味しいアクもあるんです…



でも比較的、赤身肉のアクは臭いです…


この一手間が美味しいに繋がります…